1993 Fiscal Year Annual Research Report
胎児-胎盤系で産生する16alpha、19-水酸化ステロイドの動態
Project/Area Number |
05671928
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
沼沢 光輝 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (90006338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押部 真里子 東北薬科大学, 薬学部, 助手
睦見 綾子 東北薬科大学, 薬学部, 助手
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Keywords | 16alpha,19-ジヒドロキシアンドロゲン / アイソトープ標識内標物質 / 血中濃度 / 胎児-胎盤系 / 妊婦 / ガスクロマトグラフィー / マススペクトロメトリー |
Research Abstract |
本年度の研究成果の概要は下記の通りである。 1.デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)を出発原料とし、先に我々の開発した合成法に基づき、標識16alpha,19-(OH)_2Aを合成した。出発原料の〔7,7-^2H_2〕DHEAとピリジン-D_2O-NaOD系による立体選択的アルカリ加水分解を組合せ、〔2,2,7,7,16beta-^2H_3〕16alpha,19-(OH)_2A(d_00,d_10,D_26.7,d_312.6,d_462.3,d_518.4%)を、他方、DHEAとピリジン-H_2^<18>O-Na^<18>OH系の組合せより、〔16alpha,17-^<18>O_2〕16alpha,19-(OH)_2A(^<18>O_0O,^<18>O_114,^<18>O_286%)を、それぞれ得た。これら2つの標識化合物は、TMS化するとき、GC/EI-MS分析の内部標識として有効なものであり、16alpha,19-(OH)_2Aの定量下限値は約10pgと満足できるものであった。 2.上記で開発された方法により、妊婦末梢血中16alpha,19-(OH)_2Aの定量を試みた。C_<18>逆相カートリッジを用いての固相抽出、ついで、HPLCにて不純物を除去するなどの前処理後、N,O-ビストリメチルシリルトリフルオロアセトアミドでTMS化し、GC/MS分析した。m/e432(M^+-30)ピークを用いるSIM法で定量したところ、妊婦末期では血漿中濃度が約150pg/mlと、初めて16alpha,19-(OH)_2Aの存在とその濃度が明らかになった。 以上、所期の目的はおおよそ達することができた。今後、他のステロイドの動態や病態との関係を検討し、16alpha,19-(OH)_2Aの生理学的意義を明らかにする予定である。
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