1993 Fiscal Year Annual Research Report
血小板型XI因子とbetaアミロイド前駆体蛋白によるアルツハイマ-病の診断法開発
Project/Area Number |
05671934
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
小宮山 豊 関西医科大学, 医学部, 講師 (40140264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 昌作 関西医科大学, 医学部, 助手 (20218358)
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Keywords | アルツハイマ-病 / 脳血管障害性痴呆 / アミロイドbeta蛋白前駆体 / 活性化凝固第XI因子 |
Research Abstract |
血小板betaアミロイド前駆体タンパク質(APP)の機能とアルツハイマ-病(AD)と脳血管障害性痴呆(VD)の診断および血管障害の関与に重点をおいた研究を進めている。 現在までにDMS‐III‐RとNINCDS‐ADRDA等の臨床診断基準で診断の確定している痴呆患者のうち申請者らが検討している各種血液学的パラメ-タ-の経時的追跡が可能となった症例は12例である。アルツハイマ-病(AD)と脳血管型痴呆(VD)の鑑別は、1)Focal signの有無、2)痴呆の進行がacuteかslow progressionか、3)strokeの既往の有無、4)画像診断を用いた所見などにより行っているが、ADとVDの鑑別を区別しにくい症例も存在し、今後の課題と考えている。されAD脳内のアミロイド構成成分と重要な意義を持つbetaアミロイド前駆体タンパク質(APP)の可溶化型を血小板から分離し、その抗体作製を試みているが、現状では感度的に満足できるものはなく、市販の抗体を使用している。その結果、最近申請者らのグル-プが開発したフロ-サイトメトリック測定系で血小板由来マイクロパ-ティクル(MP)の生成率でも明かに正常人より高く、またMP上でのAPPもADで20.8±10.8、VDで17.7±6.6であり、若干ADが高い傾向を示していた。一方、血管障害の指標であるFXIa‐alpha_1ATはADで12.7±5.9、VDで13.0±4.4と正常成人よりは高いもののADとVD間でほとんど差がなかった。今後さらに症例数を増やしたいと考えている。
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