1994 Fiscal Year Annual Research Report
新生児血中ステロイド硫酸抱合体の検索-生合成機序の解明と病態解析への応用を目指して-
Project/Area Number |
05671935
|
Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
渡邊 富久子 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (10068322)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住ノ江 明美 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (40258124)
多河 典子 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (00206905)
小林 吉晴 神戸薬科大学, 薬学部, 助教授 (20133647)
|
Keywords | 副腎皮質ステロイド / 硫酸抱合体 / 16-Dehydropregnenolone 3-sulfate |
Research Abstract |
我々が先にヒト血清中に見出し同定確認した新規ステロイド16-Dehydropregnenolone(16-DHP)の抱合形式とその生合成部位を検索する目的で研究を進めた。 1.血清から遊離型ステロイドをジクロロメタンで抽出し、抱合型ステロイドを含む残渣についてさらにメタノールで抽出後HPLCで分画、アリルスルファターゼで加水分解後HPLCで分画し、GC/MSおよびGC/FT-IRで分析、いずれの結果も標品の16-DHPと一致したことから、16-DHPは3位の硫酸抱合体であると同定・確認した。 2.HPLC法、GC/MS法による血中16-DHP定量法を開発し、正常新生児12例、未熟児35例について出生時体重および在胎週数と血中16-DHP 3-sulfate(16-DHPとして測定された結果を16-DHP 3-sulfateの値に換算した)の濃度との相関について検討した。その結果、正常新生児では出生時体重および在胎週数と血中16-DHP 3-sulfateとの間に相関は認められなかった。しかし、未熟児ではこれらの間に有意の逆相関が認められた。このことは、16-DHP 3-sulfateが胎児性副腎皮質で生合成されていることを示唆している。すなわち、未熟児では胎児性副腎皮質を多く残したまま出生してくるため、在胎週数が短いほど血中16-DHP 3-sulfateは高いと考えられた。 3.抱合形式については、昨年度までの結果から硫酸抱合体以外の抱合形式の存在が推測されていたが、我々が合成した16-DHP 3-sulfateを用い、さらに検討した結果、標品の16-DHP 3-sulfateのHPLC溶出位置に一致する分画に検体で16-DHP 3-sulfateを同定することができた。この結果は上記1項で得られた結果と一致した。
|
Research Products
(1 results)