1993 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活にひらかれた心理劇の基礎的・応用的研究-多種多様な展開の共通性,独自性-
Project/Area Number |
05680003
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
黒田 淑子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (20017239)
|
Keywords | 心理劇 / 日常生活 / 応用のしかた / カード化による類型化 / 方法論的な特色・問題点 / サイコドラマチストの養成 / 人間関係 / 大学教育 |
Research Abstract |
平成5年度は内外の文献検索や国際フォーラム・ワークショップなどへの参加を通して,心理劇界の動向を把握するとともに,「日常生活にひらかれた心理劇」としての本研究の独自性を明確にしながら,さまざまな生活場面で心理劇を展開し(ビデオ,カメラ,テープコーダーによる録音・録画),これまでの心理劇の資料(1980年からの約10年分)とあわせて,パソコンを活用した整理・分析を行ってきた。その結果,領域や課題に応じた多種多様な心理劇の応用のしかたが明らかになり,カード化による心理劇の類型化・体系化の素案をつくることができた。また心理劇の方法論的な特色・問題点が,監督,補助自我,演者,観客,舞台それぞれの視点から多角的に明らかになり,サイコドラマチストの養成プログラムを作成するための知見を得ることができた。 そこで,これらの成果の一部を,平成5年度の内外の学会で発表し,新たな研究の視座を提起してきた。日本家政学会大会:「親子関係の心理劇(第2報)-発達的変化-」,日本応用心理学会大会:「大学教育における心理劇-心理劇の導入のしかた-」,国際健康心理学会議:「Creation of psychodramas for healthy life」,日本健康心理学会大会:「日常生活における健康問題と心理劇(4)-“かたい"人間関係の変容-,(5)-役割行為の可能性をひろげること-」,日本人間関係学会大会:「家族をめぐる人間関係のネットワーク(2)-実践・研究における心理劇の活用-」,国際集団精神療法学会環太平洋地域会議(→『関係学研究』,雑誌論文参照)。今後,平成6年度には、上記の学会発表論文を再構成して各学会の機関誌に投稿していく予定である。また異なる心理劇あるいは他の方法と組み合わせた心理劇のセッションを行うなどして,いつでも,どこでも展開可能なひらかれた心理劇について,さらにきめこまかな分析・考察を進めていく予定である。
|