Research Abstract |
平成5年度にひき続き,日常生活にかかわる諸領域での,多種多様な心理劇の開発を進め,サイコドラマチストの養成プログラムの検討を行うとともに,これまでの心理劇の実践資料(1990年からの約5年分)の一部を整理・分析して,パソコンによるカード化を行い,心理劇の類型化,体系化の作業を進めてきた。それと同時に,心理劇の基礎は共通にしながら,分野,課題内容,対象・参加者の違いを考慮した心理劇の多種多様な活用のしかたの可能性を探り,それらをまとめて,次の諸学会の平成6年の大会で研究発表を行った。各テーマに,この研究の新たな知見の成果が現れるようにしたので以下に列挙する。「親子関係の心理劇(第3報)-もう1つの役割体験-」(日本家政学会大会)「大学教育における心理劇(4)-演習における多種多様な活用-」(日本応用心理学会大会),「日常生活における健康問題と心理劇(6)-生活のバランス-,同(7)-日常をこえる生活体験-」(日本健康心理学会大会)「家族をめぐる人間関係のネットワーク(3)-日常生活につながる心理劇技法-」(日本人間関係学会大会),「Psychodramatic Approach to Family Interaction」(国際家族心理学会議,イタリア)。また,平成7年度12月に設立予定である日本心理劇学会の前身の日本心理劇連合会の第10回大会(沖縄,12月)で,「日常生活と心理劇(2)-生活場面におけるさまざまな生活体験-」というテーマで研究発表を行い,「日常生活につながる心理劇」という初心者コースのワークショップを主宰して,本研究の成果の一部を,実際にサイコドラマチストの養成にいかすことができた。現在,平成5〜6年度にまとめて学会発表した研究を,順序,各学会の機関誌に投稿するための作業を進めているところである。今後,分野別,課題内容別の心理劇の活用のしかたについて,さらに実践研究を進め,他の方法との組みあわせ方の探究も行う予定である。
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