1993 Fiscal Year Annual Research Report
女性(40〜60才)の多価不飽和脂肪酸・トコフェロール・beta・カロチン,リン脂質の一日摂取量の調査
Project/Area Number |
05680032
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Research Institution | Hiroshima Prefectural Women's University |
Principal Investigator |
石永 正隆 広島女子大学, 家政学部, 教授 (70110765)
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Keywords | 一日摂取量 / 脂質 / 多価不飽和脂肪酸 / トコフェロール / リン脂質 |
Research Abstract |
食事中の脂質の量と質は疾病に大きく関わっている。イコサペンタエン酸など魚油由来の脂肪酸の摂取量は血栓症と、コレステロール摂取量は心臓病と非常に関係が深い。本研究では摂取する脂質のうちで、脂肪酸、コレステロール、植物ステロールおよびリン脂質について、これらの1日摂取量の実測値を40-60才の女性を対象として求めた。 結果:脂肪酸摂取量は全体の平均は約38gで各月毎の平均と差はなかった。ただ、イコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸の摂取量は冬シーズンの11-2月に平均1.5g摂取していた。他のシーズンでは0.5-0.7g程度であった。n6/n3比は4.8であった。コレステロールの摂取量は個人よるばらつきが大きいが、各月の平均が250-300mgで月別に差はなかった。また、植物ステロールも月別に有意な差はなく、平均は約150mgであった。全トコフェロールの摂取量は全体の平均で17mgであった。一方、リン脂質の摂取量は月別に差はなく平均2.5gであった。リン脂質のうちレシチンは平均50-60%を占めていた。コレステロール摂取量とリン脂質摂取量との相関性は非常に高かった。 国民栄養調査によれば日本人の平均の脂肪摂取量は59g程度であるが、40-60歳の女性の場合は、40g程度でかなり低かったn6/n3も5以下であるので問題はないと考えられる。がしかし、これは全体としてであって、個々人の各脂質の摂取量には大きなバラツキがあり、2割以上の人が、いわゆる望ましい値より著しく隔たっていた。栄養指導にあたっては十分な注意が必要であろう。また、今回初めて植物ステロールとリン脂質の摂取量を求めた。どの程度の摂取量が望ましいか不明であるが、今後に重要なデータを提供するものである。なお、beta-カロチンやトコフェロールの一部分については継続中である。
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