1994 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ-カルボニル反応を利用した食品中のトリプシン・インヒビターの不活性化
Project/Area Number |
05680055
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
加藤 保子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (10082356)
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Keywords | 大豆トリプシン・インヒビター / Bowman-Birkインヒビター / Kunitzトリプシン・インヒビター / 阻害活性抑制 / アミノ-カルボニル反応 |
Research Abstract |
各種食品に含まれるトリプシン・インヒビターの不活性化をアミノ-カルボニル(A-C)反応を用いて低減化する試みとして、本年度は、大豆のBowman-Birkインヒビター(BBI)およびKunitzトリプシン・インヒビター(KTI)をそれぞれ精製・純品としてトリプシン阻害活性の抑制を試み、次のような成果を得た。 1.大豆粉末空60%EtOH、次いでアセトンでBBIを抽出し、CM-cellurofineで分画、トリプシン阻害およびキモトリプシン阻害画分を得た。純度をペプチド系SDS-PAGEで確認した。得られてBBIとグルコースの混合乾燥粉末を50℃,65%の相対湿度のもとで一定期間貯蔵して、各貯蔵して、各貯蔵期間によるリジンおよびアルギニン残基の損傷量を化学的に測定し、BBIのトリプシン阻害活性の変化と比較検討した。BBIのトリプシン阻害活性はグルコースとの短期間の貯蔵により急激に低下し、1日貯蔵で阻害活性は50%に減少し、8日貯蔵で阻害活性を完全に抑制できた。この変化はBBIのトリプシン阻害活性部位であるリジン側鎖(遊離アミノ基)の減少傾向と極めてよく対応した。BBI-グルコース複合体は、貯蔵4日目以降二量体の生成、蛍光物質の生成が認められたものの、褐変化は大きく進まなかった。 トリプシン・インヒビター(Sigma製 Type I)からSephadex G-75を用いてKTIを精製した。KTIとグルコース凍結乾燥混合物を上記と同様の条件下で貯蔵してアミノ-カルボニル反応生成物を調製した。STIのトリプシン阻害活性は緩やかに減少し、10日貯蔵で阻害活性は約60%抑制された。この傾向はKTIのトリプシン阻害活性部位であるアルギニン側鎖(グアニジル基)の減少とよく一致した。また、BBIとKTI混合物をグルコースと反応させた場合にも両者のトリプシン阻害活性は貯蔵15日で80%以上抑制することができた。
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[Publications] T.Aoki,T,Fukumoto,T,Kimura.Y.Kato,T,Matsuda: "Whey Protein-and Egg White Protein-Glucose 6-Phoshate Conjugates wite Calcium phosphate-aolubiliginz Properties." Biosci Biotech.Biochem.,. 58. 1727-1728 (1994)
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[Publications] 加藤保子: "保育園児の食事性アレルギーの実態と母子の食歴" 川崎医療福祉学会誌. 4. 145-152 (1994)
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[Publications] Y.Kato,T,Matsuda N.kato,R.Nakamura: "Amclysis of Lactose-Protein Maillard Camplexes in Cmmercial Milk Products by Using Specific Monoclonal Antibody" Maillard Reaction in Chemistry Food and Health″ Ed.by T.P.Labuga,etal.Royal Socletg of Chemistry. 188-194 (1994)
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[Publications] Y.Kato,T.Aoki,N.kato,R.Nakamura,T.Hatsuda: "Modification of Ovalbumin with glucose-b-phosphate.by Amino-Carbonyl Reaction -Improvement of protein Heat Stabilit and Erulsifying Actrity." J.Agric Food Dhem.43. 301-305 (1995)