1993 Fiscal Year Annual Research Report
微生物のエンドグリコシダーゼを用いるアレルギン除去卵白の創製
Project/Area Number |
05680056
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Research Institution | Kacho Junior College |
Principal Investigator |
門脇 節 華頂短期大学, 家政学科, 教授 (00085961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 憲二 京都大学, 農学部・食品工学科, 助教授 (70109049)
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Keywords | endo-beta-GlcNAc-ase / オボムコイド / トリプシンインヒビター / 鶏卵 / 糖鎖 / ピリジルアミノ化 |
Research Abstract |
土壌より見出した、卵白オボムコイドの糖鎖に特異的に高い活性を有するエンドグリコシダーゼ(endo-beta-N-acetylglucosaminidase)を培養液中に多量に生産する細菌はBacillus属の一菌株と同定された。グルコース、ペプトン、酵母エキス培地で生育した本菌体を、鶏卵より調製した卵白オボムコイド0.2%のみを含む培地に移して20時間誘導培養した。培養液からendo-beta-N-acetylglucosaminidaseを種々のカラムクロマトグラフィーと分取型電気泳動装置によって精製した。補助金で購入した分取型電気泳動装置で精製した酵素標品についてSDS-PAGEを行い、本酵素が分子量約11万のモノマーなタンパクであることを確認した。本酵素の諸性質を検討したところ、他の微生物起源の酵素に比べて著しく熱安定性が低いことが明らかとなった。オボムコイドに本酵素を作用させ遊離した糖鎖をピリジルアミノ(PA)化法により蛍光標識したもの、およびオボムコイドをヒドラチン分解し糖鎖をPA化し酵素を作用させたものについて、順相カラムと逆相カラムを用いるHPLCをおこなって、その糖鎖構造を解析した。その結果、本菌のendo-beta-N-acetylglucosaminidaseはtrimannosyl coreにGlcNAcなどが数分子結合した6〜8本の比較的短い糖鎖に作用するものと考えられた。しかし部分酵素標品にはexoglycosidaseが混在し、オボムコイドの複雑で多様な糖鎖はそれによってendo-beta-N-acetylglucosaminidaseの作用を受ける糖鎖にまで分解されるので、部分酵素標品酵素によりオポムコイドは効率よく脱糖鎖された。酵素を精製オボムコイドに作用し、糖鎖を除去した脱糖鎖オボムコイドについて熱処理してトリプシンインヒビター活性を測定したところインヒビター活性の低下が見られた。糖鎖がオボムコイドの熱安定性に寄与していることが認められた。
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Research Products
(1 results)