1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680077
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Research Institution | HITOTSUBASHI UIVERSITY |
Principal Investigator |
藤田 和也 一橋大学, 社会学部, 教授 (80017673)
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Keywords | 養護教諭 / スクールナ-ス / 看護的機能 / 教育的機能 / 学校保健制度 / 学校保健組織 |
Research Abstract |
本年度は、一昨年と昨年まで行ってきたスクールナ-スと養護教諭対象のアンケート調査結果の分析(制度的側面の実態の比較分析、仕事と意識の実態の比較分析)のまとめと、アメリカのスクールナ-スを対象にしたインタビュー調査の分析を行い、さらにアメリカの学校保健の理論的枠組みとそこにおけるスクールナ-スの位置と役割について、その後に入手した文献資料をもとにして明らかにする作業を行った。 昨年度の報告で、スクールナ-スと養護教諭の制度や位置づけの違いが、両者の仕事の重点の置き方や仕事への意識の違いに現われていることを示唆したが、スクールナ-スはHealth EateemやIntervention,Health Counselingなどの看護の専門的機能に重点を置き、養護教諭は悩み相談やMental thoubleを抱える生徒の話し相手、保健指導や性教育などの、どちらかといえば教育的機能に重点を置いていることが明確になった。 スクールナ-スのインタビュー調査からは、Health Educationへの関与の不足感を強く持っていることと、スクールナ-スの将来方向について、Health Care重視とHealth Education重視の2方向が彼らの意識に内在化されており、今後なお、両方向の関連と統一が模索され続けることが予感された。 また、学校保健の組織面や健康診断などの制度面では、理論的枠組みが共有されてきているわりには実態的には(今回の実態諸調査を通してみる限りにおいて)、日本のほうがより整備されていることがかなり明瞭になった。 今後は、この制度面のさらに詳細な比較検討とそのよって来たる歴史的な歩みの比較検討が課題である。
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Research Products
(1 results)