1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680084
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤墳 規明 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60101268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 敬介 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 助手 (60195047)
吉村 篤司 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (70159234)
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Keywords | ラット海馬 / 持久的水泳運動 / 神経細胞変性 |
Research Abstract |
海馬は、記憶や情動行動に重要な働きをしているが、虚血やストレスに対して傷害を受けやすいとされている。そこでラット海馬体神経細胞に着目し、運動選手が日常経験するような強い持久的運動の海馬神経細胞に与える影響について、組織化学的方法を用いて検討した。なお、運動には水泳時に海馬での神経活動が顕著に亢進すると言わわれていることから,3時間/日の水泳運動を採用した。成熟ラット(SD系)に水泳運動を5回/週負荷した。運動群として6週間及び12週間運動を継続する群と12週間のトレーニング後6週間安静を保つ群を設けた。Control群としてcageでの安静群と水泳運動の代わりに3時間の水中安静を行う群を設けた。海馬は還流固定後,パラフィン切片にてHEとKB染色に供した。水泳運動の継続的負荷により海馬体全域に渡り細胞変性が観察され期間の延長に伴い変性の度合が進行した。しかし、水泳運動中止後6週間目には変性細胞の70%が回複傾向を示した。変性の特徴を挙げると(1)dark cell(細胞全体が濃染される)の出現と(2)細胞体と核の変形である。この細胞体と核の変形を形態計測により評価すると両者の膨潤とそれに続く萎縮が観察された。なお、細胞変性の程度は領域によりかなり異なっていた。変性を強く受ける領域としてsubiculum,polymorph layer of the dentate gyrus(PoDG)、Field CA3 of Ammon′s hornを挙げることができる。その中でもsubiculumではcell lossが認められ、PoDGでは空胞変性を起こす細胞が12週間の運動群で頻発した。これらの細胞変性は急性低酸素や低グルコース暴露時に観察されるものに極似していた。
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Research Products
(1 results)