1995 Fiscal Year Annual Research Report
水泳運動負荷時のラット海馬アンモン角錘体神経細胞内Ca^<2+>の変動
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05680084
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤墳 規明 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60101268)
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Keywords | ラット海馬体 / 神経細胞変性 / 細胞内Ca^<2+> / エネル-分散型X線分析 |
Research Abstract |
成平成5年度と6年度において熟雄ラットに1日2時間の持久的水泳運動を6-12週間負荷すると、海馬体の錘体神経細胞に組織化学的・形態的な変性像が頻発すること、上述の持久的水泳運動を負荷したときの海馬体領域での細胞外液中のグルコース濃度および酸素分圧を運動中から運動後にかけて連続的に測定すると、運動終了後に、グルコース濃度と酸素分圧とも運動の安静レベルよりも約45%低い低グルコースと低酸素条件に数時間以上に渡って晒されることを明らかにした。これらの結果から、運動性神経細胞変性のメカニズムとして次の作業仮設を立てた。海馬体神経細胞が持久的運動負荷により低酸素・低グルコース条件にさらされる。この低酸素・低グルコース条件がNMDA(n-メチルd-アスパルテエイト)受容体を活性化すると、この受容体に連動したCaチャネルのゲートが開き細胞内Ca^<2+>濃度が上昇する。それがタンパク分解酵素の働きを活性化し、細胞骨格系の消化による細胞変性さらには細胞死を引き起こす。本年度の研究目的は、持久的水泳運動負荷により海馬体神経細胞内のCa^<2+>が上昇するか否かを調べることであった。成熟雄ラットを運動前、運動中、運動後の決められたた時間帯に急速凍結し、海馬体凍結切片を作成した。その後真空乾燥し、細胞内のCa^<2+>濃度を走査型電子顕微鏡に装備したエネルギー分散型X線分光器にて半定量した。その結果、細胞内Ca^<2+>濃度は、2時間の運動終了直前から運動後数時間に渡って安静時の値を有意に上回った。このことは、上述した作業仮設の一部を支持する結果と解されるが、電位依存性Ca^<2+>チャネルを介した系の関与も否定できない。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 村上太郎: "持久的運動刺激によるラット海馬体でのc-fos遺伝子発現の増大" 第73回日本生理学会大会予稿集. 52- (1996)
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[Publications] 藤墳規明: "持久的水泳トレーニングによる脳神経細胞の変性とその出現部位" 第73回日本生理学会大会予稿集. 101- (1996)
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[Publications] 吉村篤司: "運動強度の違いがラット海馬体領域の酸素分圧に及ぼす影響" 第73回日本生理学会大会予稿集. 101- (1996)
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[Publications] Fujitsuka,N.: "Extracellular Po_2 and glucose in the hippocampal region during endurance exercise" Abstract of 1st World Congress of High Altitude Medicine and Physsiology. 123- (1994)
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[Publications] 石黒 寛: "水泳運動負荷後のラット海馬アンモン角CA3錘体細胞内Ca^<2+>のX線分析" 名古屋工業大学紀要. 46. 265-270 (1994)
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[Publications] 宮村実晴: "最新運動生理学" 真興交易(株)医書出版, 320 (1996)