1994 Fiscal Year Annual Research Report
日本の都市群と米国の都市群との間の経済的相互依存の強化に関する地理学的研究
Project/Area Number |
05680123
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村山 祐司 筑波大学, 地球科学系, 講師 (30182140)
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Keywords | 日本 / 米国 / 都市群 / 相互依存 / 地理学 / 経済 |
Research Abstract |
日本の都市群とアメリカの都市群との結びつきの強さを測定した。本社企業の位置する都市と相手国の支社企業の位置する都市に着目し両都市間の依存関係を推定した。業務活動は国際電話・テレックス・ファックスを利用していると思われるので日本のKDDやアメリカの電話会社AT&Tから国際通話のデータを補完的に利用した。さらに日米間に路線をもつ航空会社から航空旅客数のデータも入手した。そしてこれらのデータをもとに両都市の連結度を求め、その連結パターンを生じせしめた要因について各都市のもつ社会経済的特性の類似性や異質性から考察した。このような作業を通じて両国の都市群システムの相互依存関係の強化のプロセスを説明した。 相互依存関係の強化のなかで、近年米国内への日系企業の進出そして日本国内への米系企業の進出が加速度的に増加した。これら日系企業、米系企業の新規立地は空間的にみると全国一様ではなく、一定の地域に片寄ったり、特定の都市群に集積し、明瞭な地域差が認められた。規模や業種によって企業の立地する都市は異なり、金融業や保険業は大都市に立地する傾向があるのに対し、ハイテク産業や自動車産業は地方の中規模都市への立地が卓越する。また、1950年代と現代とでは進出企業の数や規模や業種が大幅に異なり、進出形態も米系企業と日系企業とでは差異が認められた。このように日系企業、米系企業とも立地パターンは時間的にも空間的にも複雑な様相を呈する。
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