1994 Fiscal Year Annual Research Report
文科系大学の理科教育改革の試み-「理科ミニマム」の策定と抗議内容の実践的研究
Project/Area Number |
05680151
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
上田 望 一橋大学, 商学部, 教授 (00013417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三村 徹郎 一橋大学, 商学部, 助教授 (20174120)
御代川 貴久夫 一橋大学, 社会学部, 教授 (40078598)
矢野 敬幸 一橋大学, 商学部, 教授 (70013696)
中嶋 浩一 一橋大学, 経済学部, 教授 (30012876)
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Keywords | 文科大学 / 一般教育 / 理科教育 / 理科ミニマム |
Research Abstract |
昨年度の調査結果をふまえて,理科ミニマムの内容を更に細かく検討し,「特殊講義」として半年間12回の講義予定で開講した.受講生数は19名と比較的少数であったが,これは本講義が本来は講義のない水曜3限実施されたことおよび必修科目ではなかったことが理由であると考えられる.しかし半数以上の学生が80%以上の出席率で履修状況は良好であった. 講義の内容は受講生の高校での理科科目の履修状況と一橋大学での開講科目を考慮に入れて,物理・科学に重点をおいた次のような構成となった. (1)数学の基礎知識・自然界のスケール・自然のなかの数学 (2)力と運動 (3)電気と磁気 (4)物質の階層構造と構成要素 (5)化学結合 (6)光の科学 (7)エネルギーとエントロピー (8)生物の共通性 (9)生物の多様性 (10)地球科学 講義に際しては自作のCAIプログラムやビデオなどを積極的に取り入れたり,講義中に小テストを実施するなど,従来の教師からの知識の一方的な伝達になりがちな講義とは異なる方法を取り入れた.その結果学生の反応はたいへん良く,来年度も同様な講義の開設を希望する者が多かった. 講義終了のアンケート調査によれば,高校での知識偏重型の講義と比べると自然科学的な物の見方や自然の法則性などに重点をおいた講義は大変興味深いが,文科系の大学であることを考慮して,身の回りのことに関連のあること,例えば「情報」や「環境」などについての基礎知識に相当する内容もミニマムに加えることを希望する者が多かった.今後はその様な領域も視野に入れた理科ミニマムの改訂を試みる.
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