1994 Fiscal Year Annual Research Report
教師の力量形成に及ぼす授業内容と学習者に対する教師の認知構造の研究
Project/Area Number |
05680171
|
Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
生田 孝至 新潟大学, 教育学部, 教授 (20018823)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 完治 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (90030048)
藤村 正司 新潟大学, 教育学部, 助教授 (40181391)
竹下 由紀子 新潟大学, 教育学部, 教授 (00018152)
|
Keywords | 教師教育 / 意思決定 / 授業認知 |
Research Abstract |
授業認知とそれに基づく授業行為は多様であるが,授業事象がみえなく有効な手が打てない段階から,みえるが打てない段階を経て,よくみえて適切な手をうつ段階へと移行する。今回は教師と,子どもの認知を調べ,その違いを検討した。授業過程では,教師のみえかたと同時に,子どものみえかたが授業を決定づけるといえる。そこで,教師と子どものそれぞれの,学習成果に対する予測と,テスト結果の関係を分析した。取り上げた事例は,小学校6年生で算数の少数と分数の4,5,6年生の内容の総括である。プリテストでは121項目中26項目で,21.5%の項目に開きがあった。この他は,概して,教師のみとりと子どものみとりに大きな違いはなかったが,子どもの自己評価の正確さは予想以上である。教師は,教材構造の論理から、正答誤答の診断を行った。ポストテストでは、児童の的中率が教師の的中率よりも低いということがあった。これはプリテストと異なっている。授業での困難な意識が残っていることと,計算ミスのみでなく,学ぶ過程で身に付いてしまった誤り方略ともいえることが,結局治らないまま子どもは出来たと思いこんでいることにも原因があるようである。また,プリテストにおいて、的中率でズレがあった項目の多くが、ポストテストにおいても残っており,似通っていた。やはり、教師側で難易度が高いと判断した項目は、予測が難しく,内容面での要因が大きいことが指摘される。
|
Research Products
(1 results)