1994 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパーメディアを利用した算数・数学の問題解決過程の分析とモデル化の試み
Project/Area Number |
05680174
|
Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
多鹿 秀継 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (30109368)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 篤 中部女子短期大学, 助教授 (10167504)
飯島 康之 中京大学, 教育学部, 助教授 (30202815)
高橋 和弘 中京大学, 情報科学部, 講師 (00236267)
中津 楢男 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (90133131)
|
Keywords | ハイパーカード / 算数問題解決過程 / 線分図 / 関係図 / 問題表象 |
Research Abstract |
本年度に実施した研究による成果は以下の通りであった。 1.昨年度に得られた実験結果の質的分析を実施した。即ち、関係図群、線分図群、及び統制群の各児童のコンピュータによる解答結果を正解と誤答に分類し、誤答のタイプ分けを行った。このようにして、誤答のタイプ分けの分析結果から、各条件群の児童の問題表象をチェックした。 2.誤答のタイプとしては、部分-全体の理解の不十分さによる誤答、基準量と比較量の取り違えによる誤答、及びほかの様々なタイプの誤答、であった。部分-全体の理解の不十分さによる誤答とは、例えば、「あきら君は妹におはじきを15個あげた。それははじめにもっていたおはじきの0.4倍である。あきら君ははじめにいくつのおはじきをもっていたか」の問題で、15個を全体として取り扱うことによる誤答であった。また、基準量と比較量の取り違えによる誤答とは、例えば文章題の問題が基準量を求める問題であるのに比較量を求めるものとして解答するような誤答である。このような2種類の誤答は、統制群だけでなく線分図群の児童においても見い出された。しかしながら、ハイパーカードによって関係図を学習した児童では、そのようなタイプの誤答は殆ど見い出されなかった。このことから、関係図群では問題解決に適切な問題表象が形成されていたといえる。 今後は、コンピュータ利用による関係図解決活動が問題解決に長期的に効果的であるのかを、転移課題や他の問題解決課題を構成して吟味したい。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 多鹿秀継: "算数問題解決過程の分析" 愛知教育大学研究報告. 44. (1995)
-
[Publications] 多鹿秀継: "A cognitive component analysis of arithmetic word problem solving" Research on learning and instruction of math.242-250 (1994)