1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680186
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
井上 智義 同志社大学, 文学部, 助教授 (40151617)
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Keywords | コミュニケーション / 絵単語 / コミュニケーション障害 / 認知心理学 / 情報処理 / 異文化間教育 |
Research Abstract |
本研究では、海外で開発されたPIC(Pictogram Ideogram Communication)と呼ばれる、コミュニケーション・システムを日本に導入して、実際に使用可能なものに修正しててくことを研究のねらいとしている。しかしながら、単に、コミュニケーション障害を持つ人たちのみが、使用するような限られたコミュニケーション手段としてではなく、異言語間のコミュニケーション手段として、また、一般の人々が日常生活のなかで、日本語と併用する形で、ごく普通に活用できるシステムとしてのの作成をめざしている。 コミュニケーション障害の臨床家(協力者)から得られたデータやビデオによる資料、意見を参考に「日本版PIC」の訓練マニュアルを作成して、それをもとに新たにその方法論を取り入れた訓練結果の分析を現在急いでいる。また、コミュニケーション障害の領域に限定せず、人間の情報処理の基本的な問題であるところの、認知や記憶に関する基礎的な心理学研究として、日本で新たに追加・修正した40のシンボルについて意味透明度の調査および分析を行ない、来年度の「日本版PIC」の作成の中心となる作業を終了した。 海外で開発されたシステムの応用を考えるときには、比較文化的な視点も無視できず、日本でのデータとカナダを始めとした諸外国での心理学的なデータの比較、さらに、その他の社会文化的要因、言語的要因なども考慮する必要があるが、この領域での先行研究は残念ながら乏しい。 異言語間コミュニケーションとしての絵単語の使用についての研究成果は、本年度の異文化間教育学会の大会で発表済みである。
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Research Products
(1 results)