1993 Fiscal Year Annual Research Report
階層的回帰分析と統計的意志決定理論を利用した選抜試験データの解析法に関する研究
Project/Area Number |
05680189
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Research Institution | National Center Test for University Admissions |
Principal Investigator |
前川 眞一 大学入試センター, 研究開発部, 助教授 (70190288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 文康 大学入試センター, 研究開発部, 助教授 (40158217)
繁桝 算男 東京工業大学, 工学部, 教授 (90091701)
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Keywords | 階層的回帰分析 / m群回帰分析 / 経験的ベイズ推定法 |
Research Abstract |
p変量、m群の階層的回帰分析においては、m個のpx1回帰係数ベクトルは、正規分布をする確率変数ベクトルであると考えられる。したがって、所謂経験的ベイズ推定法を用いれば、その分布の平均ベクトル及び分散共分散行列母数として取り扱われることになる。また、それに加えて、m個の誤差分散も母数となる。通常、誤差分散に関しては、推定されるべき母数の数を減らす意味で、それらが全て等しいという制約を置くことが多いが、それは簡単である。また、平均ベクトルや分散共分散行列のいくつかの要素が等しいという制約を課すことも容易である。これに反し、平成5年度の研究は、上記のような母数にかかる制約条件ではなく、m個の回帰係数ベクトルのある要素の値が、全ての群を通じて等しいという形の制約条件を考え、その条件の基での経験的ベイズ推定法を開発した。この最も単純な場合は、各群の切片が等しいとするモデルであるが、任意の要素が等しい場合を統一的に取り扱える方法の開発した。その方法は、等しいとされる回帰係数の要素を新たな母数として取扱い、残りの要素からなるm個の確率ベクトルを従来どおり確率変数として取り扱うものである。確率ベクトルのとして取り扱われる回帰係数の要素の数が減少するため、全体として推定される母数の数は制約無しの場合に比してやはり減少することとなる。この方法を実現する計算機プログラムをSASのIMLモジュールとして開発した。なお、プログラムに於いては、確率ベクトルの要素に関する制約条件を課することを、その部分に対応する分散共分散行列の対角要素の値がゼロと置くことにより実現している。他方、非交換可能な変数の取扱いは、それらの変数に対応する分散共分散行列の逆行列の分割行列をゼロと置くことにより同じプログラムで取り扱うことが可能であるが、その際、対数尤度関数の評価に問題が生じることが判明した。
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