1993 Fiscal Year Annual Research Report
「生活科」の教育心理学的研究-「生活科」の授業づくりと評価を中心として-
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05680192
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
藤岡 秀樹 岩手大学, 教育学部, 助教授 (40190011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 秀樹 岩手大学, 教育学部, 助教授 (40190011)
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Keywords | 生活科 / 生活科の評価 / 生活科の授業づくり / 指導要録 / 気づき / 関心・意欲・態度 / 思考・表現 / 通知表 |
Research Abstract |
1.[研究1]文部省の「生活科」実施推進協力校36校及び県の教育委員会レベルでの研究指定校やユニークな実践を行っている学校46校を対象に,通知表における「生活科」の評価方法を調べた。その結果,「観点別評価のみ」が最も多く(52.4%),第2位は「観点別評価と自由記述の併用」で23.2%を占めていた。観点別評価の評価基準は,3段階絶対評価が6割強であり,観点の共通性は,55.2%が学年を通して共通であり,具体的な到達目標を提示して評価する「到達度評価型」の通知表は35.8%に過ぎないことを見出した。 2.[研究2][研究1]の調査対象校の「生活科」研究主任に対して,「生活科」の評価についての質問紙調査を行った。その結果,(1)指導要録の3つの観点の内,評価に際して難しさを感じる観点を選択させたところ,「身近な環境や自分についての気付き」が最も多く選ばれ,次いで「生活への関心・意欲・態度」が多く,「活動や体験についての思考・表現」は少なかった。(2)「生活科」の評価観の分析では,教師は多様な評価を求め,目立たぬ児童の評価のあり方や自己評価のあり方についても,関心を持ち,重視していること-を見出した。 3.[研究3][研究2]の被験者に対して,「生活科」の教科書の活用度と問題点を尋ねたところ,「参考書として使う」が最も多く(47.6%),次いで「全く使用しない」が多く25.6%を占めていた。教科書の問題点としては,地域・学校の実態に合わない,発想・考え方・活動の制約性,「生活科」教科書不要論等が多く見られた。次に,現行の12社の教科書の内容分析を行い,大きく4つのタイプに分けられることを見出した。 4.[研究4][生活科」の1年生の授業分析(対象校は3校)を継続的に行い,自然認識・社会認識・自己認識の形成を重視した授業づくりと評価のあり方について検討した。地域に根ざした教材開発と“個を生かす"指導のあり方に重点を置いた。次年度は,同一校の2年生になった対象児を追跡し,「生活科」の授業を通して,子供がどの様に変容していったのかを調べることが新たな課題になるであろう。
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Research Products
(2 results)