1994 Fiscal Year Annual Research Report
「生活科」の教育心理学的研究-「生活科」の授業づくりと評価を中心として-
Project/Area Number |
05680192
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
藤岡 秀樹 岩手大学, 教育学部, 助教授 (40190011)
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Keywords | 生活科 / 自然認識 / 社会認識 / 自己認識 / 授業づくり / 教材開発 / 合科学習 / 総合活動 |
Research Abstract |
平成5年度の研究対象校3校(岩手県内郡部2,都市部1)に新たに1校(他県都市部)を加えて,2年生の「生活科」の授業分析を行った。とりわけ,自然認識・社会認識・自己認識の形成を重視し,地域に根ざした「生活科」の授業づくりあり方や「生活科」を学んだ児童の2年間の変容過程を分析の中心に据えた。また,本年度後半は,3年生の「理科」「社会科」との接続性をもった「生活科」の教材開発・カリキュラム開発について取りかかった。このことに関しては,来年度に向けて,継続的に研究を進める必要がある。 「生活科」担当教師に対する意識調査(「生活科」の児童に対する影響・教育的効果,評価のあり方など。面接法を使用)は,開始したばかりであるが,「生活科」は,(1)地域・家庭の教育力を高めるのに有効である,(2)表現力を高めさせることに役立つ-などのプラスの面と,(1)個々の児童の多様な活動に対する指導・援助のあり方の難しさ,(2)「関心・意欲・態度」の評価の難しさ,(3)週3時間での時間配分では,理想的な望ましい授業を行うことが難しい(時間不足)-などの困難点が指摘された。次年度も引き続き,担当教師に対する意識調査を進める必要性がある。 以上の研究成果を基に,著書『学力・能力・適性の指導と評価-学校心理学の視点から-』(京都法政出版)を平成6年12月に刊行した(「生活科」に関する記述は,第6部「生活科」の指導と評価[(1)評価論からみた「生活科」,(2)「生活科」の評価-教師の意識調査を中心に-,(3)「生活科」の授業づくり-楽しくて学力のつく「生活科」をめざして-(Pp.161-197)]に所収)。 また,小学校における合科学習・総合活動の実践校である長野県伊那市立伊那小学校の学校公開にも参加し,合科学習・総合活動の実践を参観する機会を得た。そして,伊那小学校のカリキュラムを基に,合科学習・総合活動と「生活科」との関連や,ポスト「生活科」としての小学校中・高学年の合科学習・総合活動についてあり方と可能性についても検討した。
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Research Products
(1 results)