1994 Fiscal Year Annual Research Report
課題解決学習用メディアとしてのシェルの開発とその利用における教育学的意義
Project/Area Number |
05680209
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Research Institution | OSAKA KYOIKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
橋本 孝之 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30026273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井津元 世士郎 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (70030393)
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Keywords | 課題解決学習 / シェル / マルチメディア |
Research Abstract |
課題解決学習は、生徒自らが主体的に課題に働きかけることを通して「学ぶ姿勢」を育成できる点で、加えて学習体験を通して養われる総合的、横断的な知識の高揚と定着が期待できる点で極めて有意義である。 一般的に、課題解決学習においては、生徒達は、課題に関わる情報を主体的に収集し、判断・選択し、整理し、処理・加工をし、表現することが要求される。すなわち、生徒達は情報の受信者でもあり、発信者でもある。この「処理、加工をし、発表する」際のメディアには、簡便性が強く要求される。ところが、この簡便性を備えたメディアは現在のところなく、課題解決学習の実施における大きな壁になっている。 ところで、コンピュータをはじめとする様々なメディアが教育分野でも利用され始めていること、またコンピュータは様々なメディアを統合する能力を持っていることなどから、生徒達の学習活動においても、これらメディアの利用を積極的に図ることは非常に意義深い。 そこで、本研究では、まず、課題に関わるシナリオ(コースウェア)が簡便に作成(処理・加工)でき、実行(発表)できるような、コンピュータと周辺のメディアからなる道具(コースウェア構築用シェル:ソフトウェア)を開発する。 ついで、このシェルを「廃棄車椅子のリサイクルの授業」において、「プレゼンテーション用教具」として位置づけた場合の「障害者の立場理解」を課題とした実験授業を行い、生徒達の意識・感情を因子分析により明らかにした。分析の結果、初めてシェルを用いたにも拘わらず、生徒達の興味・関心が、ソフトウェアツールとしてのシェルの取り扱い方法よりも、課題である「障害者の立場理解」に向けられていることがわかった。さらに、コースウェア作成を通した「課題解決学習」を実施する際にシェルが、非常に優れた教具になり得ることが考察された。
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