1993 Fiscal Year Annual Research Report
栽培・食物一貫した教材の開発-緑黄色野菜を中心に-
Project/Area Number |
05680213
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
細谷 圭助 和歌山大学, 教育学部, 教授 (10135824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 民憲 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (70038321)
赤松 純子 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (40141709)
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Keywords | 栽培 / 食物 / 一貫教材開発 / ホウレンソウ / 有機肥料 / 生育 / カロチン / 食味 |
Research Abstract |
栽培から食物への一貫教材開発の基礎資料を得るために、以下の実験、調査、検査を行った。栽培実験は、ホウレンソウ品種トライ(タキイ種苗)を材料として、窒素施用量を同一(2kg/a)にして硫安(硫酸アンモニウム)単独、マメ科緑肥+硫安(窒素量で1:1、以下同じ)、牛糞おが屑堆肥+硫安及びマメ科緑肥+鶏糞発酵肥料の4処理区(4ブロックの乱塊法)を設けた。播種後86日目に生育の調査を行い、収穫物のβ-カロチンとL-アスコルビン酸の分析(高速液体クロマトグラフィによる)及びゆでた試料を用いて試食官能検査を行った。また、これとは別にプロビタミンA源としてのホウレンソウの評価を動物実験において行った。 草丈、葉色値、地上部及び地下部生重でみた生育の傾向は、硫安単独区>緑肥+硫安区>堆肥+硫安区>緑肥+鶏糞区であったが、統計的に有意性が認められなかったので、施肥窒素量の半量を緑肥、堆肥、鶏糞で化学肥料の代替が可能であると考えられた。 可食部のβ-カロチン含量は、硫安単独区>緑肥+硫安区=堆肥+硫安区>緑肥+鶏糞区の傾向があり、L-アスコルビン酸含量は、硫安単独区、緑肥+鶏糞区で低い傾向であった。 ゆでた試料において、青くささが少なく、歯触りが良く、筋っぽさがなく、えぐみや苦味がない点または総合的にも硫安単独区が最も良い評価が得られた。緑肥+硫安区では程よい甘味があり、緑色が濃い点で、また堆肥+硫安区では、香り(におい)が良く、緑色が濃い点で評価が高かった。 ビタミンA欠乏飼料給与(3週間)によるビタミンA低水準状態ラットへのホウレンソウ粉末添加飼料給与(2週間)は、無添加の場合の1.5倍の体重増加と40〜50倍の肝臓中のビタミンA蓄積をもたらした。
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