1993 Fiscal Year Annual Research Report
長期集団宿泊活動(自然教室)が児童の心身に及ぼす効果に関する研究
Project/Area Number |
05680216
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
下村 義夫 岡山大学, 教育学部, 助教授 (80095033)
|
Keywords | 児童 / 体験学習 / 自覚症状 / 調査 / 健康教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、1週間(5泊6日)程度の集団宿泊活動「自然教室推進事業(自然教室)」が児童の身体・心理面にどのような影響を及ぼし、どのような効果をもたらしているかを実証的に解明し、期間の妥当性や教育効果について一定の見解を示すことにある。また、健康教育領域における認識形成や学習能力を高める上でどのように位置づくかを検討し、自然教室をより有効に機能させる指導システムを開発しようとするものである。93年度はA市J小学校の児童を対象に平常の学校生活時(自然教室前後・各1週間)と自然教室期間中(5泊6日)における身体状況、食生活、生活満足度等について調査を実施した。その結果、平常学校生活時に比べて自然教室期間中に疲労自覚症状30項目の訴え率が低率を示し、特に、「ねむけとだるさを主とする一般的な身体症状」や「注意集中の困難を主とする精神症状」項目に顕著な低率を認めた。さらに、空腹感の訴え率の増加や生活満足度が高まる等、自然教室が児童の心身面に有効な影響を及ぼしたと推察できるデータが得られた。したがって、94年度は児童の心身における動態をより一層把握するために継続調査を実施するとともに、自然教室期間中に認められた身体状況の変化に着目して、一層有効な健康学習にするための指導システムを提起することが課題である。
|