Research Abstract |
1.生活科の栽培教材の開発 研究用の栽培園は面積が小さいため,教材としてよく用いられているキュウリ,ミニトマト,ナス,トウモロコシ,サツマイモの5種類の野菜について研究栽培し,これらの栽培時期,栽培の難易性,成長速度,収穫期,病虫害に対する耐性などについて明らかにすることができた。 特に,栽培時期については,これら夏野菜を種蒔きから始めると,収穫期が夏休み中に入るが,市販の苗を植えると6月から収穫ができるので,栽培活動によって,児童に収穫の喜びや感動を味わわせ,栽培意欲を高めるには,市販の苗を利用する方が有効であることが分かった。 2.栽培実習と栽培の指導力の育成 実習用の栽培園を用いて,上記5種類の野菜について播種から成熟期まで,学生に栽培体験させた。また,収穫祭の実習として,上記5種の野菜の収穫期に,教室内で簡単な調理法で調理して食べる実習をさせた。栽培実習及び収穫祭の実習後に提出させた観察録,レポートなどの分析から,栽培実習や収穫祭の実習は予想を上回る教育効果があった。野菜の栽培実習を通して,学生は,野菜の栽培技術を習得するのみならず,野菜を育てることや収穫の楽しさを初め,生命のすばらしさ,自然の偉大さを感得している。 現在の学生は,野菜の栽培体験は皆無に等しいだけに,栽培活動の指導能力や自然に関わる意欲を育成するには,栽培実習は不可欠であることが明らかとなった。
|