Research Abstract |
本年度は佐賀県内に生育している植物の教材化例を学術雑誌の中から捜し出すことに努力した.教材植物の選定は佐賀大学教育学部に保管してある植物標本に基づいた.なお,使用した植物標本の学名,和名,科名は佐竹ら(1981,1982a,1982b,1989a,1989b),岩槻(1992)に準拠したが,一部の帰化植物は長田(1976)等に従った.植物標本のデータ入力には,パーソナルコンピュータと市販のデータベース用ソフトが用いられた.なお,データベースの項目は,標本番号,学名,和名,科名,既産,採集地,採集者名,同定者名,海抜,五万分の一地形図幅における位置,教材化例1,教材化例2などである.教材化例は,主に中学校の選択理科に適していると思われるものを入力したが,中には小学校の理科(生活科を含む)や高校の生物の授業に適していると思われるものも入力した.教材化例1には繁殖戦略を含む進化系統に関する教材化例を入力し,教材化例2には,進化系統以外のその他の形態,生態,生理学関係の教材化例を入力した. 教材化例について調べた学術雑誌は, 理科の教育・・・・87冊 採集と飼育・・・・48冊 生物教育・・・・21冊 遺伝・・・488冊 の計604冊である.この604冊のうち,実際に教材比例として適している資料が掲載されていたのは 理科の教育・・・・27冊 採集と飼育・・・・23冊 生物教育・・・・・7冊 遺伝・・・・46冊の計103冊である.なお,現在までに作成した佐賀県産植物標本の数は828点(この中には重複標本も含まれる)で,358点の植物標本に教材化例が入力された.教材化例は,教材化例1の領域よりも教材化例2の領域の資料のほうがかなり多く入力された.さらに,身近な植物(ツノゴケ)を使った選択理科用の教材化例を1件報告した.
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