1993 Fiscal Year Annual Research Report
社会科における社会的ジレンマに関する教材の開発研究
Project/Area Number |
05680235
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
工藤 文三 国立教育研究所, 教科教育研究部・公民教育研究室, 室長 (30231096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 倫明 東京都立航空工業高等専門学校, 助教授 (00220963)
戸田 善治 国立教育研究所, 教科教育研究部・地理・歴史教育研究室, 研究員 (50207586)
西野 真由美 国立教育研究所, 教科教育研究部・道徳・特別活動研究室, 研究員 (40218178)
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Keywords | 社会的ジレンマ / 社会科 / 社会問題 / 教材開発 / 個人-社会問題 / ゲームの理論 |
Research Abstract |
1.本研究の目的は、以下のとおりである。 (1)社会的ジレンマに関する理論についてその概略を把握し、教材設計において有効となる視点と方法を明らかにする。 (2)中学校・高等学校社会科教科書における社会問題の取り上げ方や、その扱いに関する問題点を明確にする。 (3)社会的ジレンマの構造を持つ社会的事象について、それらの構造や関係を分析することにより、教材選択や教材設計の方法論を明確にし、教材作成の理論化を図る。 2.これらの目標を達成するために、本年度行った研究とその結果を以下のとおりである。 (1)研究分担者の他に、中学校・高等学校の社会科教論2名を研究協力者として委嘱し、主に研究会議を重ねることにより研究を進めた。 (2)社会的ジレンマ研究に関する文献をもとに、理論の概要及びその枠組みについて分析検討を行った。その結果、社会科で扱われているいわゆる社会問題に関する内容を整理する枠組みの一つとして、社会的ジレンマ論が有効であることが明らかになった。 (3)教科書における社会問題の記述分析の結果、個々の「問題」の性格や「問題」をとらえる枠組みについては、ほとんど記述されていないことが明らかとなった。 (4)また社会的ジレンマ理論には、ゲームの理論や集合的意志決定に関する要素、個人-社会問題、これらに伴う倫理問題等が入り組んで含まれており、これらを教材開発にどのように反映させるかが今の課題として残された。
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