1993 Fiscal Year Annual Research Report
日本語授業における学習者の認知過程と教師の意思決定に関する研究
Project/Area Number |
05680237
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西村 よしみ 筑波大学, 文芸・言語学系, 助教授 (40208228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外山 美佐 筑波大学, 留学生センター, 非常勤講師
清水 百合 筑波大学, 留学生センター, 非常勤講師
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Keywords | 日本語習得 / 授業研究 / 再生刺激法 / 認知過程 / 意思決定 |
Research Abstract |
本年度の研究として,設定した計画の主なものは以下のようなものである。 1)再生刺激法によるインタビュー法と質問紙の比較検討と,質問項目の妥当性について 2)学習形態の異なるもの(文法・会話・読解・聴解)について,再生刺激法による調査を行う上述の計画にしたがって研究を行った結果,1)に関しては,インタビュー法は,実験時間が長時間にわたり,実験者及び被験者の負担が大きかった。また,同一刺激条件を設定するのは困難であり,実験結果の妥当性などに問題があることが分かった。一方,質問紙法では,同一刺激条件下で,一斉に多数の被験者からのデータを得ることができた。しかし,刺激条件としてどの授業場面を選択するかによって,認知過程の内省が出やすいもの出にくいものがあった。 また,2)については,日本語学習者は授業において,教師あるいは他の教授媒体による学習情報をどのように操作して言語規則理解の定着を行っているのかという認知過程を把握と学習ストラテジーの調査を行った。調査方法として,予習状況,CAIによる授業,一斉授業の構造練習の授業という一連の授業の中での学習者の内的過程をThink aloud法,再生刺激法という2種類の方法を実施した。その結果,成績上位者は,授業内での認知過程において多くの学習ストラテジーを頻繁に用いながら学習していることが分かった。 来年度は,教師の意志決定過程に関して調査を実施する予定である。
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