1993 Fiscal Year Annual Research Report
臨床検査値の縦断的データに基づく仮想的加齢曲線の推定
Project/Area Number |
05680252
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大瀧 慈 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (20110463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下方 浩志 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (10226269)
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Keywords | 縦断的データ / 繰り返し観測値 / 成長曲線モデル / 多変量解析 / 臨床検査 / 疫学データ / 分散分析 / 加齢 |
Research Abstract |
平成5年度における当課題に関する研究として、基礎理論の構築・開発、コンピュータソフトの開発、データ解析を行った。それぞれの状況を下記に示す。 1.基礎理論の構築・開発 まず、目的変量が単変数の場合について、「成長曲線モデル」の位置母数行列および分散・共分散行列に対して線形構造を導入し、モデルの拡張を行った。そして、この拡張モデルのもとで、Vonesh and Carter(1987)のモーメント法を応用することにより、未知母数に対する推定量を構築することができた。また、拡張されたモデルに関する一般線形仮説に対するワルド型検定統計量の開発も行った。さらに、これらの単変量モデルに関する諸結果を基に、多変量計量値(ベクトル)を目的変量とする「多変量成長曲線モデル」を開発し、そのモデルのもとでの未知母数に関する推測方法を研究した。その結果、単変量モデルに関する全ての結果が多変量の場合にも自然に拡張可能であることが分かった。(2論文を投稿中) 2.コンピュータソフトの開発 単変量成長曲線モデルに基づく繰り返し観測データに対する統計解析のためのコンピュータソフト"GROWTH2"を開発した。現在、分散不均一性のもとでの成長曲線解析を実行できるようにするため、ソフトの更新処理を行っている。さらに、多変量成長曲線モデルに基づくデータ解析のためのソフト"GROWTH3"を開発しているところである。 3.データ解析 本研究で得られた理論およびコンピュータソフトを用いて、臨床データや疫学データを対象としたデータ解析を試行した。(近日中に、その一部分を論文にて発表予定)
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[Publications] Ohtaki,M.: "A stochastic model for proliferation of cancer cells and growth of tumor--A Monte Carlo simulation study--" Japanese Journal of Biometrics. 14. 47-54 (1993)
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[Publications] 久島公夫: "勤労中年男性の日常身体活動性が体力ならびに血清コレステロールプロフィールに及ぼす影響" 日本公衛誌. (印刷中). (1994)
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[Publications] Takauchi,K.: "Telomere reduction of specific chromosome translocation in acute Myelocytic Leukemia" Japanese Journal of Cancer Research. 85. 127-130 (1994)
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[Publications] 下方浩史: "老化の進行と基礎代謝並びに栄養" 日本老年学会誌. 30. 572-576 (1993)
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[Publications] 葛谷文男: "Advances in Aging Study 1992" (財)長寿科学振興財団, PP.256 (1993)