1993 Fiscal Year Annual Research Report
共変量に誤差を伴う生存率解析モデルの理論と解析プログラムの開発
Project/Area Number |
05680253
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中村 剛 長崎大学, 医療技術短期大学部, 教授 (80039586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 宏平 九州大学, 医学部, 助手 (10175771)
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Keywords | 測定誤差 / 回帰モデル / 誤分類 / 生存時間解析 / 比例ハザードモデル |
Research Abstract |
1.米国統計学会誌(JASA)1992年第3号に広島放射線影響研究所のピアース等による測定誤差に関する論文が掲載された。原爆被爆者の被爆線量推定値にかなりの測定誤差のあることから、ポワソン回帰モデルに基づく単位線量当り過剰死亡率の算定法を修正して測定誤差に帰因する偏りを補正する方法を提案している。彼等の方法の問題点を理論及び応用の観点からまとめ、バイオ統計学シンポジウム(琉球大)で報告した。現在修正スコアー法を彼等の問題に応用する理論を作成しており、平成6年度のシンポジウムで報告する予定である。 2.Cox回帰モデルにおける測定誤差の影響を修正する方法の汎用的プログラムを作成し、利用マニュアルを作成中である。近々関連雑誌に投稿する予定である。誤分類に関してはマトリックス法、疑似尤度法、準構造尤度法、他幾つもの方法が提案されているが、それぞれ何らかの確認困難な仮定を必要としている。誤分類は例えば癌臨床試験におけるステージ分類、アンケート調査、環境物質の測定等広く観察される。一般化線型モデル(ロジスティック、ポワソン、正規を含む)に対して修正スコアー法を応用した汎用的修正法を開発した。この方法は誤分類と測定誤差(連続変数)が共存するモデルにも適用でき、又順位カテゴリー変数にも適用できる点で画期的といえる。さらに誤分類確率はいくら大きくても、誤分類行列から生成されるある行列が正則でありさえすれば斬近的に不偏な推定値が得られるという点で、適用範囲を大きく広げた。現在欧米の雑誌に投稿中である。
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