1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ型ネットワークシステムにおける診断知識の獲得とモデル化に関する研究
Project/Area Number |
05680290
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology, Hokuriku |
Principal Investigator |
落水 浩一郎 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10022310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 高平 静岡大学, 工学部, 助教授 (20174617)
中島 達夫 情報科学センター, 助教授 (10251977)
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Keywords | エキスパートシステム / ネットワーク故障診断 / 深い知識 / プロトコルスタック / ネットワーク構成 / 知識コンパイル / 故障木 |
Research Abstract |
平成6年度は、以下に述べる2点について、当初の目的を達成する成果を得た。 1.「故障診断モデルの精密化」故障診断モデルは、以下の5種類の知識から成るドメインモデルとして定義される。(1)対象世界の構造を表現する知識,(2)対象世界を支配する法則性に関する知識,(3)対象世界の構造の探索を制御する知識,(4)モデル構成要素を解釈する知識,(5)故障メカニズムの汎化知識。平成5年度の研究で、(1)から(5)に関する知識を、プロトコルスタックの探索問題として定式化することにより、故障したハードウェアが特定できれば、そのハードウェア上のソフトウェアにおける故障箇所が特定できるという成果が既に得られていた。 平成6年度においては、(1)から(5)に関する知識に、さらに、ネットワークハードウェア構成に関する知識を組み込むことにより、以下のように、モデルの表現能力を顕著に改善した。ソフトウェアにおける故障箇所と特定できるのみならず、診断初期に故障対象として仮定したネットワークハードウェア構成に関して仮説の変更を指示できる。すなわち、ネットワークプロトコル、ネットワークハードウェア構成の双方を取り扱える故障診断モデルを開発する、という本研究の目的は達成された。 2.「故障診断エキスパートシステムの改良」1.で述べた診断モデルを組み込んだ、故障診断エキスパートシステムの改良版を開発し、ネットワークプロトコル、ネットワークハードウェア構成の双方にわたって、兆候と故障仮説間の可能な因果関係のすべてを故障木の形で出力する知識コンパイラを開発した。また、知識記述量の増加に伴ない発生した知識記述コストの軽減をはかるため、知識をオブジェクト指向に基づいて記述する手段も開発した。 上記成果により、ネットワーク故障診断エキスパートシステムについて、基礎的理論TOSONO現可能性を保証するプロトタイプの開発がなされた。
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