1993 Fiscal Year Annual Research Report
細密地下構造データに基づく強震動の増幅・伝播に関する要因分析
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05680357
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
工藤 一嘉 東京大学, 地震研究所, 講師 (50012935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 貞成 (財)電力中央研究所, 耐震部, 担当研究員
纐纈 一起 東京大学, 地震研究所, 助教授 (90134634)
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Keywords | 強震動 / 細密地下構造 / 地震動の増幅・伝播 / 地震動の要因分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は,観測点近傍の微細構造を各種の地震探査法を用いてモデル化し,既に得られている地震観測記録との対比をもとに,地下構造のモデル化および微細構造が如何に地震動予測の精度に影響するかを明かにすることにある.1993年釧路沖地震,北海道南西沖地震は計画当初には発生していなかったため,研究計画には含めていなかったが,両地震においても微細地下構造が影響したと予想される観測記録が得られたため,本研究の調査地点に加えることとした.北海道南西沖地震の微小地震観測および地震探査を実施し,地表・地下の微地形が地動加速度に大きく影響することが理解された. 釧路市内では8月下旬に,地盤の異なる5ヶ所に地震計を設置し観測を継続中である.9月には3地点の同時記録が得られている. 北海道南西沖地震の余震観測点の一つである爾志郡乙部町において1.6gという極めて大きい加速度記録が得られ,その原因究明のため,本研究費により観測点でのボーリングによる地質調査とPS検層を行った.あわせて,微小地震のアレイ観測,屈折法地震探査,微動観測を行った.微小地震のアレイ記録から,ごく表層(厚さ9m以下)の影響により,卓越周期では40倍,時間領域では10倍の差が生じていることが分かった. 本研究目的の当初の対象であった足柄平野では,70m離れた2本のボーリング孔に設置された地震計と地表数点の震源を用いてオフセットのある垂直地震探査(Vertical Seismic Profile)を実施し,現在,地下構造モデル作成のためのデータ整理・解析を行っている.
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[Publications] 工藤一嘉: "強震動予測を中心とした地震工学研究のあゆみ" 地震,第2輯. 46. 151-159 (1993)
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[Publications] 纐纈一起: "基盤構造の探査" 地震,第2輯. 46. 351-370 (1993)