1994 Fiscal Year Annual Research Report
リチウムコーティングとプラズマ・表面過程の基礎研究
Project/Area Number |
05680391
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
豊田 浩孝 名古屋大学, 工学部, 講師 (70207653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅井 秀郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (40005517)
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Keywords | 核融合 / リチウムコーティング / 水素リサイクリング / 酸素ゲッタリング |
Research Abstract |
本年度の研究として以下のことを明らかにした。 1)リチウム(Li)とガスとの化学反応 リチウムは化学的に活性であり、ガス分子と反応をすることが考えられる。これは残留ガスのゲッタリング材としてとしてLiを考える際に重要な視点である。そこで、Li膜を真空容器内壁に蒸着した直後に、さまざまなガス(H_2,O_2,CH_4,CO)を真空装置内に導入し、リチウムとの反応を調べた。その結果、LiはO_2ガスと強い反応性を示し、真空容器内部の残留酵素の強いゲッタ材となることを明らかにした。 2)リチウムとH_2,O_2プラズマとの相互作用 昨年度において、Li膜が水素プラズマ中において水素を多量に吸収することを明らかにしたが、今年度は水晶振動子膜厚計を用いて、容器へのLiコーティング量をその場測定することにより、水素プラズマにおけるLi膜の水素吸収量を定量的に調べた。その結果、数100nm程度の膜厚のLi膜は、バルクのLi原子数に匹敵する水素を吸収することが明らかとなった。このことは、水素がLi中において内部まで移動できることを示している。 3)実機におけるリチウムコーティング実験 核融合科学研究所との共同研究により、核融合科学研究所トカマク装置JIPPT-IIUにおいてリチウムコーティング実験をおこなった。この実験においてはトロイダル容器底部よりリチウムオ-ブンを導入し、RF誘導加熱によりオ-ブンを加熱してトロイダル容器面積の10%程度に0.5g程のリチウムを蒸着した。その結果、主放電時において酵素や炭素不純物を20-50%減少させること、およびNBI放電時においてリサイクリングの低減効果が見られる、などの良好な結果を得ることができた。
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Research Products
(1 results)