1993 Fiscal Year Annual Research Report
顕微レーザー分光法によるミクロプラズマの時空間分解計測
Project/Area Number |
05680393
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
橘 邦英 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (40027925)
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Keywords | プラズマディスプレイ / プラズマ分光測定 / 顕微レーザー吸収法 / 励起原子密度 / 放電発光特性 |
Research Abstract |
将来のハイビジョン受像用として期待されている大型カラープラズマディスプレイパネル(PDP)の実用化に向けて、輝度や発光効率を改善するための基礎データとして、単一画素にあたる500μm角程度の大きさの放電セル内の放電特性や発光現象を顕微分光法によって解析した。まず、発光や吸収を高い空間分解能で測定できるように、試験用の放電パネルを試作して光学顕微鏡に組み込んだ。プラズマ中のHeやXe原子の高い励起準位からの発光はCCDカメラで2次元画像として、0.1μs時間分解能で測定した。その結果、放電の進展に伴って発光領域が空間的にダイナミックな変化を示し、電極間の電界やプラズマパラメータの時空間変動によって電離や励起過程が支配されていることが明らかになった。次に、カラー表示の蛍光体励起源となっているXe原子からの波長147nm共鳴紫外線放射の上準位(1S_4)にある励起原子密度を測定するために、波長可変な半導体レーザーのビームを顕微鏡に導入し、1s_4準位から2p_5準位への828nmの遷移に波長を同調させてその吸収を測定した。吸収率から絶対密度を求めると、最大で3×10^<13>cm^<-3>程度の値が得られた。また、レーザービームの透過位置を走査することによって、Xe(1s_4)密度の空間的時間的変化も測定した。 一方、実際のPDPの研究開発を支援するために、放電発光現象のシミュレーション技法の確立を目指しているが、原子分子の衝突や放射過程を考慮した1次元の連続流体モデルによって計算したXe(1s_4)の密度やその時間的な変化の様子は上の実験結果と比較的よい一致を示した。しかし、より定量性を高めるためには2次元や3次元のモデルの構築が必要であり、現在その計算時間を短縮するための数値計算法の改善や簡略化の検討を進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Murakami: "Computer simulation of pulsed discharge for color DC plasma display panel" Proceedings of Euro Display '93(Strasbourg). 555-558 (1993)
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[Publications] S.Hashiguchi: "Numerical investigation of He-Xe glow discharges for full-color plasma display panels" Proceedings of International Conference on Phenomena in Innized Gases(Bochum). 383-384 (1993)
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[Publications] 小杉直貴: "顕微分光法によるPDPセル内の励起原子密度の時間空間測定(1)" テレビジョン学会技術報告. 18(3). 25-30 (1994)