1993 Fiscal Year Annual Research Report
回転する相対論的電子ビームを用いた円型な自由電子レーザのミリ波帯における研究
Project/Area Number |
05680401
|
Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
斎藤 宏文 宇宙科学研究所, 宇宙探査工学研究系, 助教授 (80150051)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 貴秀 宇宙科学研究所, 宇宙探査工学研究系, 助手
大島 勉 宇宙科学研究所, 観測部, 技官
|
Keywords | 電子ビーム / 自由電子レーザ / 相対論的電子ビーム / マイクロ波 / ミリ波 / サイクロトロン運動 / 回転電子ビーム / 大出力電磁波パルス |
Research Abstract |
円形自由電子レーザとは一様磁界中を円運動する相対論的電子ビームに、周方向に周期的な構造を持つウイグラ磁界を印加して小型化させた,コンパクトな自由電子レーザである。この装置を用いると,数百keVの回転電子ビームを用いることによりマイクロ波,ミリ波からサブミリ波に至る電磁波を発生できる。低次 外径140mm,内径110mmの同軸導波管に長さ200mm,12周期のウイグラ磁界を配列した円形自由電子レーザの発振動作を確認した。250〜400keVの運動エネルギーをもつ相対論的回転電子ビームを用いることでマイクロ波からミリ波(11〜40GHz)の電磁波を離散的に可変させながら発生できた。Ku帯の発振スペクトルは帯域幅40MHz程度と非常に狭帯域である。周波数測定と遠方放射界測定から,理論的に予想される同軸導波管のTM(p,1)モードの発振であると同定された。Ku帯の放射出力は約1.8MWであり,そのエネルギー変換効率は約4.5%であった。 以上の結果より,円形自由電子レーザの基本的動作が理論的に予想されるものによく一致しており,小型コンパクトで大出力なマイクロ波,ミリ波源になり得る可能性を持っていることが明らかになった。
|
-
[Publications] T.MIZUNO: "Experimental Study of Millimeter Wave and Microwave from Circular Free Electron laser" Nuclear Instruments&Method in Physics Research. 夏発行予定. (1994)
-
[Publications] 水野貴秀: "円形自由電子レーザーからのマイクロ波・ミリ波発生" 電子情報通信学会技術研究報告(電子デバイス)ED93-140. 93巻403号. 1993年12月17日ED93-140 (1993)
-
[Publications] 斎藤宏文: "円形自由電子レーザの実験-発振モードの実験的解析-" 第3回FEL研究会"FELとHigh Power Rediationに関するTopical Meeting"講演録. 1993年6月. 308-322 (1993)
-
[Publications] 斎藤宏文: "円形自由電子レーザによるマイクロ波・ミリ波の発生" 第48回日本物理学会年会予稿集(1993,4,東北大学). Vol,4. 31pZD-5 (1993)
-
[Publications] 斎藤宏文: "円形自由電子レーザによるマイクロ波・ミリ波の発生" 日本物理学会1993年秋の分科会予稿集(1993.10.岡山大学). Vol,4. 14aN-9 (1993)