1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680404
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
沢村 晃子 北海道大学, 工学部, 助教授 (30001316)
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Keywords | 過熱液体 / 液滴 / 中性子 / 線量計 / フレオン12 / ブテン系液体 / アコスティックエミッション(AE) |
Research Abstract |
1.過熱液滴型検出器の検出しきい値の研究には、組成の単純なブテン系液体を過熱液体に用いることが有利であると考え、従来から研究されてきたフレオン12と共にブテン系液体による検出器の試作を開始した。 2.検出器はApfel-型とIng-型を試みた。フレオン12、イソブテン、1-ブテン等による両型の検出器にAm-Be線源からの中性子を照射、中性子に有感であることを確認した。Apfel-型は比重の小さいブテン系液体の場合は難点があることが明らかになったので、以後Ing-型についてのみ実験を行った。 3.試作検出器のバブル生成をアコステックエミッシヨン(以下AEと書く)により検出した。バブルを目視するよりもAE検出の方が、液滴の分散の均一性等、検出媒体への要求が容易になる。 4.試作検出器のAm-Be中性子に対する応答をAE計数により測定した。フレオンより高沸点のイソブテン、1-ブテン検出器でも常温で十分感度があることを確認した。しかし再使用時感度の再現性が未だ十分でない。 5.温度依存性測定を、水を熱媒体とする試験槽中に検出器・防水型AEセンサーを設置して行う事とし、市販検出器で試験した。熱媒体の選択により検出機構研究に必要な、-20〜150℃の温度範囲の測定が可能である。 6.水をAE伝達媒体とすることにより、〜μsec領域の中性子によるバブル生成時の誘起AEを測定可能であることを確認した。バブル生成エネルギー効率決定のための実験的手法として有効と考えられる。 7.本研究では実用検出器としての総合評価の試みには至らなかったが、ブテン系液体が過熱液滴型検出体として使用可能であること・AE法の有効性で明らかにした。ブテン系液体の使用により、理論と実験の比較が従来より明確になる。検出器感度の再現性の問題を克服すれば当初の目的を達成することができる。
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