1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680406
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杤山 修 東北大学, 工学部, 助教授 (70005479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 浩道 東北大学, 工学部, 助手 (00166654)
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Keywords | アクチノイド / 高レベル放射性廃棄物 / 地層処分 / フミン酸 / フルボ酸^<1-> / 酸塩基滴定 / 有機高分子コロイド / 有機分解生成物 |
Research Abstract |
本研究では,高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全性評価に関連してアクチノイドの地層中での挙動を把握するため,自然界における有機分解生成物とアクチノイドの相互作用を調べている. (1)有機錯体生成定数決定に関する文献の調査と整理 有機分解生成物においては,分子量,官能基密度,骨格構造等が試料によって連続的に変化しており,既存の錯生成の考え方をそのまま適用することには問題がある.調査結果によれば,これらの相互作用については多くの報文があるものの,その取扱いにはかなりの混乱と議論があり,得られているデータもまちまちである.有機物との相互作用の不均一性を考慮して,汎用されている実験的手法と解析モデルが,取得データにどのような影響を及ぼすかを明らかにした. (2)有機分解生成物のキャラクタリゼーション アクチノイドとの相互作用を調べるにあたっては,有機分解生成物のキャラクタリゼーションが特に重要である.その手法を確立するため市販フミン酸を種々のpHにおいて濾過,限外濾過により分画し,凍結乾燥して得られた試料について酸塩基滴定を行い解析した.滴定曲線は高分子有機物に特有のなだらかな変化を示し,さらに種々pHで得られた試料の酸性基の性質と量が連続的に変化していることより,分画前の試料が種々の化合物を含む混合物であることを確認した.滴定曲線は既存の代表的モデルのいずれによっても記述できたが,これは曲線の変化がなだらなためで,このような曲線を与えるモデルがいくつもあり得るからである.したがってモデルの基本となっている考え方の是非については,単にデータへの適合性だけでなく,その他の検討をする必要がある.
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