1993 Fiscal Year Annual Research Report
無水フッ化物溶液におけるウランの電気化学的性質の研究
Project/Area Number |
05680407
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原 光雄 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90005918)
|
Keywords | ウラン / 電気化学 / 無水溶液 / フッ化物 / サイクリック・ボルタンメトリ / 作用電極 / 参照電極 |
Research Abstract |
アクチノイド元素のウランは通常の水溶液中で4価と6価の酸化状態をとり、それぞれU^<4+>とUO_2^<2+>の化学形で存在する。それらの酸化状態にあるウランの化学的性質や挙動は広く研究されており、ウラン(IV)のフッ化物は通常の水溶液には不溶であるが、濃フッ化物水溶液にはかなり溶解することが知られている。ところで、本研究者はフッ化セシウムを飽和させた無水フッ化水素や無水酢酸にウラン(IV)のフッ化物が易溶であることを見いだし、ウラン(IV)の無水濃フッ化物溶液について電気化学的に研究しようとする動機を得た。補助金の交付を受けて本研究を実施するに当たり、無水フッ化水素の沸点が約20℃と低く、毒性が極めて強いので、フッ化物溶液の使用および保存中の漏洩防止などには十分配慮した。本年度の研究実施内容は以下の通りである。 1.テフロン材料を用いて溶媒調製用容器、溶媒貯蔵容器、電解セル、吸光度測定用セルホルダーなどを設計製作し、テフロン管でつないで乾燥雰囲気を確保できるシステムを作成した。連結部からのリークを防止するためのチェックを繰り返し行なった。 2.無水フッ化水素にフッ化セシウムを飽和させたものを溶媒とし、自作の参照電極(Cu/CuF_2)使用によるサイクリック・ボルタンメトリで、この溶媒における作用電極(白金、金、ニッケル)自身の電気化学的挙動を検討した。参照電極については多重走査法によってその可逆性を確認した。 3.ウラン(IV)のフッ化物(UF_4)を乾式法で合成するための装置を石英ガラス管材料で設計製作した。この方法で合成する試料についてはX線回折法および赤外分光法による同定を行う予定である。 4.テフロン棒とルビーのディスクを用いた吸収セルを設計中である。
|