1993 Fiscal Year Annual Research Report
模擬高レベル廃液からのアルカリ,アルカリ土類群の磁気分離
Project/Area Number |
05680419
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳 忠 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇埜 正美 大阪大学, 工学部, 助手 (00232885)
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Keywords | 群分離 / 高レベル廃液 / フェライト添加物 / 沈殿 / 水酸化物 / 炭酸塩 / 磁気分離 / pH-値 |
Research Abstract |
Cs、Sr、Baの他20種の金属イオンを含む模擬高レベル核廃液を用いて、これからCs、Srを2次廃棄物発生につながる有機試剤を用いずに群分離する方法に、無機沈殿生成をフェライトシーディングと組み合せた磁気分離法を選び、その有効性を確証するため、1.Cs、Srの分離回収性と、2.磁気分離カラムの無機沈殿の補捉性とを調べた。鉄フェライト(Fe_3O_4)の耐硝酸性が0.1M以下であるため、まず模擬廃液をギ酸でpH=1まで脱硝しその濾液を試料液とした。 1.アルカリ(Cs)、アルカリ土類(Sr)の群分離性 広pH域での水酸化物沈殿生成と添加Fe_3O_4粒子による各成分イオンの吸着挙動につき、(1)水酸化物生成はNaOHよりもNH_4OHに依るべきである。(2)pH<9ではFe_3O_4、水酸化物へのCs、Srの吸着は無視し得る。(3)Cs、Sr両イオンはpH=10.5ついで=8.5の2段階調整で100%の回収が可能である。(4)Srの5〜10%がCsに混入する。こと等が判明した。(4)については生じた炭酸塩沈殿が水酸化物沈殿とは異なり結晶質であるため、Fe_3O_4への付着が良好でないことに因るものと判断された。そのため回収再利用可能なCdCO_3との共沈法の組合せを試みた。しかし相互分離性に進展が見られなかった。その主因は炭酸塩生成時の結晶成長速度が濃度、温度により大きくなることにあると判断され、現在地の凝集剤の選別を続けている。 2.磁気分離カラムの沈殿の捕捉性 分離カラムの沈殿物の捕捉性に及ぼす諸因子のうち、カラム充填鋼材について調べた結果、(1)SUS440、6mm¢球は消磁性に優れ高充填率カラムは得やすいが、耐酸性に問題がある。(2)SUS304、リボンでは高充填率カラムの作製に難があるが耐酸性に問題はなく、かつ消磁性にも問題は見られず、現在さらに捕捉率と液流量との関係を調べている。
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