1993 Fiscal Year Annual Research Report
超流動ヘリウムによる超伝導マグネットの冷却に関する基礎的研究
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05680434
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福田 研二 九州大学, 工学部, 教授 (90117234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
饒 燕飛 九州大学, 工学部, 助教授 (10243891)
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Keywords | 超流動ヘリウム / 相互対流 / 強制冷却 / 加熱限界 / G-Mダフト / 二流体モデル / 簡易モデル / 超伝導マグネット |
Research Abstract |
本年度は以下の解析的研究を主として行った。 (1)超流動ヘリウムの相互対流:下面が加熱されるGorter-Mellinkダクト内の相互対流について、2粒体モデルを用いて1次元、2次元非定常計算をおこなった。第2音波の伝播挙動、そのエネルギ輸送特性、高加熱入力時の拡散的エネルギ輸送特性が明らかになった。また、特に、ステップ加熱やランプ加熱をした場合の加熱限界について、種々の特筆すべきことが明らかになった。すなわち、加熱限界においては、G-M相互作用によるエネルギ消散が支配的要因となっていること。限界に達するまでの熱流速と加熱時間の関係や限界熱流束がいくつかの実験結果とよく一致することなどである。これらの成果は日本機械学会に投稿中である。またInt.Heat Transfer Conf.(西安)において発表予定である。 (2)超流動ヘリウムの強制流動伝熱:いわゆる簡易モデルをもちいて、伝熱管中央でステップ加熱やパルス加熱される場合の熱流動挙動について、1次元非定常計算を行った。この結果をいくつかの実験結果と比較して解析の妥当性を確認した。また特にパルス加熱をした場合、その後の温度降下の過程で相互対流の熱輸送能力に安定なプラトーが存在するという奇妙な現象を見出した。この原因について考察を加えた。これらの成果は、九州大学工学集報に発表し、また低温学会誌に投稿準備中である。なお、実験については装置の改造を行い実験準備中である。
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[Publications] Kenji Fukuda: "A Study on the Cooling Stability of High Temp." Proc.2nd JSME-KSME thermal eng.Conf.1. 35-40 (1992)
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[Publications] 田中 重光: "強制流動ヘリウムIIの熱輸送特性に関する数値解析" 九州大学工学集報. 66. 457-462 (1993)