1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680443
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
森川 和子 東京農工大学, 工学部, 助教授 (50015046)
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Keywords | 河川細菌群集 / 従属栄養細菌数 / 平板法 / 流量 / 湧水 |
Research Abstract |
多摩川を中心に行ってきた河川微生物群集の生態学的解析の発展として、河川細菌群集の起源を明らかにするため、多摩川に注ぐ野川の湧水の一つである真姿の池において、1992年10月より2週間に一度の採水を行なってきた。これについて、平板法により従属栄養細菌数の経年変化を検討した。菌数の変動は小さく、平水時は20-30CFU/mlの値をえたが、降雨時にはこの値が100CFU/ml以上になった。この採水地点は上方に樹木の枝が張り出しているのでその影響もあると考えられるが、これまであまり注目されなかった降雨中の細菌も、湧水の様に生菌数の少ないところでは量的に無視できないと考え細菌の計数を試みた。また、降雨は土壌を通過して湧水となるので、土壌細菌の検討も必要である。たまたま1万年以前の地層に出会う機会があり、それについて従属栄養細菌の検出を試みたところ、非常に増殖開始速度の遅い細菌群集の存在が認められた。現在これらの細菌の分離を行っており、これについて可能な限り属レベルでの同定を試みる。細菌の同定には16S-rRNAの比較が行われるが、これは細菌の性質と直接結びつかない。そこでリボゾーム蛋白を分析する事にした。なお、河川の細菌群集の変動には、遡って5-10日間積算した流量が影響を与えている事が明らかにされ、流量をモニターするために連続測定可能な流量計の設置を試みたが地形的に困難であった。
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