1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680443
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Research Institution | TOKYO UNIVERSITY OF AGRICULTURE AND TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
森川 和子 東京農工大学, 農学部, 助教授 (50015046)
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Keywords | 河川水 / 細菌群集 / 河川細菌の起源 / 土壌細菌 / 湧水細菌 / 計数方法 / グラム染色 / 胞子形成 |
Research Abstract |
本年土壌細菌に関して、新たに計数方法の問題点が浮かんできたので、土壌細菌群集の計数法の検討を行った。東京農工大学苗圃(雑木林)のA1層を用いて、簡単に水に乗って土壌から分離してくる細菌と、土壌団粒構造の中に組み込まれている細菌の区別を行うために、土壌試料に滅菌蒸留水に加え、40秒間軽く振り混ぜ3分間静置した。その後、上澄みをとり、残った沈殿に再び滅菌蒸留水を加え同じ方法でさらに洗い出した。最後に超音波細胞破砕器により団粒構造を壊した。これらについて細菌を計数したところ、洗い出しでは平板法で1.50×10^6CFU/g、6CFDA染色法で2.00×10^8CFU/gであった。超音波処理をほどこした細菌数は、平板法で3.80×10^7〜1.27×10^8CFU/g、6CFDA染色法で、1.36×10^9〜3.17×10^9CFU/gとそれぞれ一桁上昇した。超音波処理は、3分以上処理しても細菌数はほとんど変化せず、予想したような細菌細胞の破棄による減少は見られなかった。液量が100mlとほかの研究例に比べて多かったため超音波の影響が緩和されたのであろう。また、顕微鏡観察で見られた変化の1つに、超音波処理にともなう土壌構造の破壊があった。このため、検鏡で最も計数しやすかったのは10分処理の場合であった。また、6CFDAの染色で、塩化ナトリウムを加えることで透過性が良くなるという報告があるので、土壌試料とE.coliを用いて、染色時の暖衝液としてはリン酸緩衝液とトリス緩衝液を比較し、塩化ナトリウム(最終濃度5%)の効果について検討した。土壌もE.coliもNaClを加えた方が菌数が多かった。トリス緩衝液では6CFDAを加えたとたんに発色してしまい計数できない事があり、リン酸緩衝液の方がよかった。土壌から洗浄音波法で分画抽出する際に、用いる抽出液の種類を検討した。リン酸緩衝液と蒸留水を比較した結果、AO、エチヂウムブロマイド、6CFDAとも、蒸留水で抽出した場合合計計数可能であった。この他、培養条件の検討を行い、細菌株を分離した。
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