1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680446
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村松 久史 京都大学, 防災研究所, 教授 (40200307)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 憲敬 京都大学, 防災研究所, 助手 (00222183)
岩嶋 樹也 京都大学, 理学部, 助教授 (80025478)
|
Keywords | 対流圏オゾン / 光化学 / 輸送 |
Research Abstract |
北花山(京都大学地球物理学教室分室)でオゾン、全天日射量、風の連続観測を実施した。1時間平均風速が3m/sを越え、かつ日積算全天日射量が10MJ以下の日の資料からオゾン濃度と風速の関係をしめす実験式を求めた。得られた実験式は宇治での実験式と異なる。すなわち風速が約1.5m/s以下では同一の風速に対して北花山の方がオゾン濃度が高い。この実験式で風速を無限大として自由対流圏のオゾン濃度を推定した。自由対流圏のオゾン濃度の最大は初夏、最低は冬季の季節変化をしめすが、夏季に極小がみられる。この季節変化は宇治で得られた結果と一致する。 同一の風速に対して実験式から計算されるオゾン濃度と観測されたオゾン濃度の差は光化学生成・消滅の寄与をしめす。解析の結果によると、夜間(ここでは、20-9JST)にはオゾン濃度の観測値は光化学の寄与が無視されるときの90-40%であり、特に夏季に低い値をしめす。また昼間にはこの値は冬季に70%であるが、他の季節では100%以上で夏季に160%以上となる。光化学の影響はすべての季節の夜間および冬季の昼間には正味のオゾン消滅の働きをし、冬季以外の昼間に正味の生成であることがわかる。日平均のオゾン濃度に対する光化学の影響は夏季には正味の生成であり、その他の季節には正味の消滅かまたは影響は小さい。 北花山での光化学の影響を宇治での結果と比較すると、正味の光化学生成が宇治の方が大きい。これは日平均オゾン濃度に対する正味の生成を与える月数が宇治の方が大きく、また夏季の日最大オゾン濃度が宇治の方が大きいことでも示される。
|