1993 Fiscal Year Annual Research Report
各種土壌生態系の炭素循環における微生物群集の役割の解明
Project/Area Number |
05680447
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
堀越 孝雄 広島大学, 総合科学部, 教授 (00094102)
|
Keywords | 炭素循環 / 土壌微生物バイオマス / クロロホルム燻蒸-抽出法 / 基質誘導呼吸法 |
Research Abstract |
1.さまざまな土壌生態系の微生物バイオマスを、Vance et al.(1987)のクロロホルム燻蒸-抽出法で求める際の抽出条件などについて検討した。その結果、燻蒸・抽出時の水分条件は、A_0(L、F及びH)層、鉱質土壌層おのおのについて、それぞれ最大容水量の55%、120%が最適であることなどが明らかとなった。 2.上記で設定した条件下で求めた暖温帯のアカマツ林、落葉広葉樹林及びスギ人口林の1グラム乾土当りの微生物バイオマスは、L層についてはそれぞれ13〜19、14〜25及び11〜12であり、FH層については8、11〜14、及び7、鉱質土壌の表層5cmについては1.3、1.0及び3.0であった。このように、バイオマスは、A_0層については落葉広葉樹林>アカマツ林>スギ林の順であり、鉱質土壌層についてはスギ林>アカマツ林>落葉広葉樹林の順であった。しかし、単位バイオマス当りの呼吸量(バイオマスの活性)は各林分でほぼ同レベルであった。 3.燻蒸-抽出法以外に基質誘導呼吸法によってもバイオマスを求めたが、基本的に燻蒸-抽出法によるものとほぼ同様の結果が得られた。バイオマスと土壌呼吸速度、窒素含量などの土壌要因との間には有意な相関がみられた。 4.ターンオバータイムを推定するための培養実験は現在進行中である。この実験においては実験室レベルのミクロな実験とライシメーターを用いたセミミクロなものを計画している。
|