1993 Fiscal Year Annual Research Report
重金属による腎臓毒性の尿細管レベルでの新たな評価法の開発
Project/Area Number |
05680471
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
遠山 千春 国立環境研究所, 環境健康部・病態機構研究室, 室長 (10150872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下絛 信弘 筑波大学, 社会医学系, 教授 (00080622)
本間 志乃 国立環境研究所, 環境健康部・病態機構研究室, 科学技術特別研究員
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Keywords | 腎毒性 / 水銀 / カドミウム / メタロチオネイン / シンクロトロン放射光 / 二次元イメージング |
Research Abstract |
従来、環境汚染物質である重金属は腎臓組織に損傷や機能障害を引き起こすことが知られている。本研究では、金属の種類による腎臓の障害部位の違いや投与量・投与期間による腎臓毒性の差異を、重金属の二次元分布、組織病理学所見、ならびにこれら重金属の暴露によって誘導され、かつこれらを結合することによって金属の毒性を軽減するタンパクであるメタロチオネインのmRNAおよびタンパクの局在を同一試料から検索する方法を開発し、これらのデータを総合的に評価することにより、重金属による腎臓毒性の尿細管レベルでの新たな評価法を確立を試みた。 本研究における生体試料中重金属の検出には、高エネルギー物理学研究所のシンクロトロン放射光蛍光X線分析(SR-XRF)システムを利用することを計画していたが、平成5年度はSR-XRF分析における分解能の向上(一分析点辺り1mm^2〜100mum^2から5mum^2に)と、それに伴う測定および測定試料の条件設定、測定技術の習得を行った。測定試料の支持体にアクリル系樹脂を採用し、実際に水銀を投与したラットの臓器を用いて、重金属をSR-XRFにより測定した同一試料から、組織病理学検査およびメタロチロネインの局在を検出する手法を確立した。従来のパラフィンを支持体とした測定試料に比べ、アクリル系樹脂を用いると、測定上のSN比を下げることが出来、結果として5〜40mumの薄片試料に対して20ppm程度の検出感度が得られた。
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