1993 Fiscal Year Annual Research Report
都市ごみ固形燃料化システム成立のための総合的調査・解析
Project/Area Number |
05680476
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松藤 敏彦 北海道大学, 工学部, 助教授 (00165838)
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Keywords | ごみ燃料 / 家庭系ごみ / 燃料特性 / 重金属 / 揮発性塩素 / ごみの組成 |
Research Abstract |
1)調査対象施設 家庭ごみからごみ燃料を製造している以下の4施設を調査対象とし、月1回定期的にサンプルを送ってもらい分析した。(1)奈良県榛原町:厨芥を含む可燃ごみ、(2)栃木県野木町:可燃ごみ(厨芥は分別)、(3)北海道富良野市:紙・プラスチック、(4)高知県芸当衛生組合:プラスチック。(1)→(4)の順に厨芥の割合が小さくなり、家庭ごみを原料とする場合に考えられる代表的な事例が網羅できた。また、都市部では事業系ごみも処理対象とする必要があることから、事業系の紙・木・プラスチックを原料としている(5)札幌市も対象とした。(5)については現地調査である。 2)厨芥割合の影響 厨芥が多い(1)(2)では窒素割合が高く、焼却時にNOx対策が必要となる可能性がある。1%NaOH水溶液で沸騰浴中で処理し、全炭素として測定したものを腐敗性炭素と呼ぶと、窒素との相関が高く、厨芥含有量の指標となる。また、厨芥はそれ自体の灰分が15%程度と高いこと、および原料の水分を高めて不燃分が選別分離できなくなることから、ごみ燃料の灰分を高くするとの問題がある。 3)プラスチックの影響 原料中のプラスチック割合が高いと発熱量が高くなり、燃料特性としては望ましいが、同時に塩化水素発生の問題がある。塩素のうち燃焼時に揮発するもの(揮発性塩素)が塩化水素ガスの発生にかかわるが、プラスチック中に混入する塩化ビニルがその主たる由来であり、プラスチック割合の高い(4)(3)の順に揮発性塩素が高い。(1)(5)では塩化ビニルを搬入時に選別するため、揮発性塩素がやや少ない。(1)(2)は原料に石灰を添加しているが、燃焼温度が800℃程度と高いと、石灰と反応する前に揮発してしまうため、燃焼のコントロールが必要であろう。(4)でも原料に石灰を添加しているが、300〜400℃での加熱成形時に揮発分がすでに固定され、塩化水素対策として効果が高い。しかし、石灰添加は灰分増加の欠点がある。 4)重金属 Zn,Cd,Pb,Cu,Fe,Mn,Ca,Mg,Na,Kについては、毎月のサンプルを分析し、T-Hg,Se,Sb,As,T-Crは1回だけ測定した。家庭系ごみを原料とする場合には、いずれの施設も差がなく、年間を通じて安定している。(5)はZn,Cuの月変動が大きく、搬入される事業系ごみの変動によると思われる。ごみ燃料の溶出試験を行ったところ、いずれも検出限界以下であった。
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Research Products
(1 results)