1993 Fiscal Year Annual Research Report
生物活性炭法における有用微生物の定着化に関する研究
Project/Area Number |
05680478
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須藤 隆一 東北大学, 工学部, 教授 (70109916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徐 開欽 東北大学, 工学部, 助手 (20250722)
西村 修 東北大学, 工学部, 助手 (80208214)
稲森 悠平 国立環境研究所, 総合研究官 (10142093)
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Keywords | 生物活性炭 / 付着細菌 / 原生動物 / 輪虫類 / 線虫類 / Philodina / 二者培養 / 消毒 |
Research Abstract |
生物活性炭流動床の実験装置を開発し、汚濁湖沼水を供試水として、3種の粒状活性炭(ヤシガラ、クレハ、F-400)について、各種微生物の付着・定着状況、処理効率と操作条件との関係について検討を行った。滞留時間が長くなるほど処理効率は高まるが、実用化を考慮して、滞留時間2時間、膨張率3倍とした。この操作条件におけるTOC(全有機性炭素)の除去率は、40〜60%であり、活性炭付着細菌は10^7〜10^8cells・SSmg^<-1>で、その個体数は10^6〜10^7・活性炭g^<-1>に達し、付着細菌は浮遊細菌の10〜100倍存在し、浄化における重要性が示唆された。本研究では特に着目した原生動物・微小後生動物はVorticella、Monas、Philodina(輪虫類)などが定着して増殖がみられた。原生動物は10^2〜10^3cells・SSmg^<-1>、微小後生動物(優占種Philodina)は10〜10^2cells・SSmg^<-1>生息し、流動床の捕食者としての役割が大きいことが推定できた。 このような生物活性炭処理は流動床に限らず、浄水処理で実用化の段階にあるか、反応槽内で増殖した微生物のうち、線虫類は消毒プロセスからも防御されて水道蛇口からも出現する可能が高い。このため、線虫類(体長1mm)の生態学的・生理学的特性を明らかにするために、線虫類の細菌との二者培養を行った。その結果、液体培地、観点培地とも、高密度に培養することに成功した。20〜30℃では増殖が著しいが、5〜10℃では生存するもののほとんど増殖はおこらず、30℃以上では死滅した。また生物活性炭では付着せずに増殖するので、流出の可能性の高いことが確認できた。 Philodinaの培養実験から、その代謝産物が活性炭への細菌の付着増殖に大きな役割を演じていることが推定でき、Philodinaの定着が処理効率の向上に不可欠であることが明らかにされた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 稲森悠平、須藤隆一: "汚濁湖沼水の生物活性炭流動床における微小動物の役割と浄化特性" 日本水処理生物学会誌. 別巻13. 69 (1993)
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[Publications] 丁国際、須藤隆一: "生物活性炭処理における線虫類等の役割" 日本水処理生物学会誌. 別巻13. 71 (1993)
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[Publications] 金周永、須藤隆一: "細菌類の活性炭に対する親和性および生物活性炭による基質の除去特性" 水環境学会誌. 16,No3. 202-208 (1993)
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[Publications] A.Imai&R.Sudo: "Remouval of Refractory Organics and Nitrogen from Landfill Leachate by the Microoganism-Attached Activated Carbon Fluidized Bed Process." WATER RESEARCH. 27. 143-145 (1993)
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[Publications] A.Imai&R.Sudo: "Treatmeny of Landfill Leachate with the Microorganism-Attached Carbon Fluidized Bed Process." Int.J.Environmental Studies.41. 51-63 (1993)
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[Publications] 稲森悠平、須藤隆一: "生物活性炭流動床における浄化能と生物相" 用水と廃水. 35. 12-19 (1993)