活性炭との組合せによる嫌気性処理・脱窒処理の新展開に関する研究

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05680480
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 花木 啓祐 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00134015)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松尾 友矩 東京大学, 工学部, 教授 (80010784)
• Keywords: 活性炭 / 生物処理 / 嫌気性 / 脱窒 / 吸着 / 脱着

Research Abstract

初年度である平成5年度は、本研究の中心が生物実験であるため、実験のスタートアップ、予備実験が中心となり、いくつか興味深い実験結果が得られつつあるが、未だ十分な成果が得られていない。しかしながら、その経過をまとめると以下のようになる。
〈嫌気性処理〉フェノールを用いて活性炭を担体とした流動床プロセスを運転した。同時にアンスラサイトを重点材にした流動床プロセスを運転しているが、活性炭をろ材にした場合にはフェノールの毒性が発現することなく分解が起きたのに対し、アンスラサイトではスタートアップに長期間を要し、なかなか負荷を上昇できないことがわかった。活性炭の場合、流入負荷を変動させた場合に活性炭の脱吸着反応によって安定した分解が起きた。作意的に流入する有機物の濃度を変化させる実験を行った結果、活性炭カラムの場合には流出するフェノールの濃度はさほど上昇しないが、アンスラサイトの場合には変動を与えた後直ちに流出濃度が増大した。
〈脱窒処理〉連続的に有機物を与えず,間欠的に与える方式で活性炭カラムタイプの脱窒プロセスを運転した。その結果、活性炭は有機物を一時的に保持でき、有機物が外部から与えられない期間にも活発な脱窒が可能になることがわかった。具体的には、連続流で硝酸性窒素を含む水を流入させた場合、一日に一回だけ有機物を投与し残りの期間は有機物を与えないようなモードで運転しても、活性炭の吸着・脱着作用により十分に良好な脱窒の成績を得ることができた。