1993 Fiscal Year Annual Research Report
移植片拒絶反応のメカニズム:自己-非自己認識機構の分子生物学的解析
Project/Area Number |
05680538
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
吉田 龍太郎 財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 部長 (10124760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛尾 由美子 〃, 第4研究部, 研究員 (90193862)
安井 浩明 〃, 第4研究部, 研究員 (80230209)
滝川 修 〃, 第4研究部, 研究員 (70163342)
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Keywords | 移植 / 拒絶反応 / 単球 / マクロファージ / 主要組織適合性抗原 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
外科技術の急速な進歩と、免疫抑制剤の開発などにより、心臓、肝臓、腎臓などの移植後の生着率が高くなり、移植による治療を求める声が最近益々高まってきている。しかし、移植後におこる拒絶反応や、それを防ぐための免疫抑制剤による免疫不全は移植医療にとって非常に大きな問題なのに、移植片拒絶反応のメカニズムは、ほとんど明らかではない。我々は、1.移植後局所に浸潤する全ての宿主細胞を回収出来る実験系を開発し、移植片を直接傷害する主たるエフェクター細胞が従来信じられているTリンパ球ではなく、単球/マクロファージ系細胞であること、2.主要組織適合性抗原(MHC)を中心とした遺伝子の変異マウス(congenicマウスやrecombinant inbredマウスなど)を用い、エフェクター細胞によって非自己だと認識される標的細胞上の蛋白分子をコードする遺伝子領域がMHCクラスIのK及びD領域であることを同定した。また、3.常在性マクロファージ、化合物質で誘導したマクロファージ、細菌で誘導したマクロファージなどの細胞表面にはなく、移植片を直接傷害するマクロファージ上にだけある抗原と反応するモノクローナル抗体を樹立した。4.本エフェクターマクロファージは、表面抗原や標的細胞の特異性などからユニークな単球/マクロファージ系細胞と考えられるが、その起源は,X線照射/F1骨髄移植系で従来のマクロファージと同様、骨髄細胞由来であることが判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A. Habara‐Ohkubo: "Establishment of antitoxoplasma state by stable expression of mouse indoleamine 2,3‐dioxygevase" Infection and Immunity. 61. 1810-1813 (1993)
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[Publications] O.Takikawa: "Synergism between IFN‐gamma and IL‐1d/beta in growth inhibition on an allografted tumor" Journal of Immunology. 151. 2070-2076 (1993)
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[Publications] 吉田龍太郎: "臨床免疫25巻,6号" 科学評論社, 8 (1993)
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[Publications] 吉田龍太郎: "Medical Immunology 25巻,5号" 国際医書出版, 7 (1993)