1993 Fiscal Year Annual Research Report
2′-5′結合オリゴアデニル酸合成酵素の二本鎖RNAによる活性化機構
Project/Area Number |
05680548
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
宗川 吉汪 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (30012727)
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Keywords | インターフェロン誘導酵素 / 2-5A合成酵素 / 二本鎖RNA |
Research Abstract |
(1)マウス2-5AScDNAにはヌクレオチド配列の若干異なる2種(S^+酵素、S^-酵素)が存在する。それらのアミノ酸残基はともに367個で互いに14残基異なるのみである。しかしながら、それらを大腸菌で発現させた場合、S^+は高い酵素活性を示したが、S^-の方はその1/1000程度でしかなかった。活性の低いS^-酵素の異なる14残基のうちのTrp176をGluに転換したS^-m酵素を作製した。S^-m酵素はS^-酵素の30倍に活性が上昇した。Glu176は酵素活性に重要な役割を担っていると考えられる。 (2)大腸菌で発現させたマウス2-5AS(42kD,S^+)に対する単クローン抗体を作製した。この抗体を用いた組織化学的研究によって42kD酵素は細胞質で発現していることが判明した。また、42kD酵素と同時に、エピトープを共有する130kDおよび30kDタンパクがIFNによって誘導されることを見いだした。さらに、42kD酵素は単量体で機能しうるが、細胞内では2量体あるいは他のタンパクとの複合体として存在する。 (3)今回、単クローン抗体を用いることによって、S^+酵素、S^-酵素およびS^-m酵素を定量することが可能となった。そこで、ポリI:ポリCにたいするそれぞれの酵素の結合性を検討したところ、S^-酵素の結合性がS^+酵素およびS^-m酵素に比べて有意に低下していた。このことはGlu176が二本鎖RNAの結合に関与することを示している。S^-酵素の活性の低下も二本鎖RNAへの結合の低下によって説明される。
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Research Products
(1 results)