1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680553
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
武森 重樹 広島大学, 総合科学部, 教授 (60019461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 岳 広島大学, 総合科学部, 助手 (30192397)
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Keywords | チトクロムP-450 llβ / ウシ副腎皮質 / アルドステロン / チトクロムP-450scc / ステロイドホルモン |
Research Abstract |
P-450(llβ)はTween20の共存下でデオキシコルチコステロン(DOC)の11β水酸化活性が著しく増大すると共にアルドステロン合成能が消失する。この特性はP-450(llβ)に対するP-450(scc)の効果に類似していると考えられので、TweenあるいはP-450(scc)共存下のP-450(llβ)の反応を比較解析することにより、ウシ副腎の束・網状層に局在するP-450(llβ)の潜在的なアルドステロン合成能を抑制する機構を明らかにした。 1.ステロイド基質による吸収スペクトルの滴定から、P-450(llβ)プロテオリポソームのDOCおよびコルチコステロンに対する解離定数はそれぞれ0.05μMおよび13μMであるが、Tween20共存下ではDOCおよびコルチコステロンに対して4μMと>2500μMの値を示した。従って、コルチコステロンはTween共存下では容易にP-450(llβ)から解離することが示された。 2.P-450(scc)共存下ではP-450(llβ)スペクトルの基質滴定が困難であるため、P-450(llβ)のDOC代謝に対するコルチコステロンの阻害定数から親和性を測定した。コルチコステンはP-450(llβ)のDOC代謝を競争阻害し、19μMのKi値を示した。これに対して、P-450(scc)共存下では、コルチコステロンはP-450(llβ)のDOC代謝を全く阻害しなかった。従って、コルチコステロンはP-450(scc)共存下のP-450(llβ)に全く結合しないことが示された。 以上の結果から、TweenあるいはP-450(scc)共存下では、アルドステロン合成の連続的水酸化反応の代謝中間体であるコルチコステロンはP-450(llβ)から容易に解離するため、アルドステロン合成が庶断され、逆にコルチコステロン合成が促進されると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shiro Kominani: "Regulation mechanism of the catalytic activity of bovine adrenal cytochrome P-450(llβ)" Biochimica et Biophysica Acta. 1192. 234-240 (1994)
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[Publications] Shigeki Takemori: "Reaction mechanism of P-450 dependent steroidogenesis:Regulation of catalytic activity of bovine adrenal P-450(llβ)" Cytochrome P-450:Biochemitry,Biophsics and Molecular Biology(M.C.Lachner,ed). 365-371 (1994)