1994 Fiscal Year Annual Research Report
血漿高ヒスチジン糖タンパク質(HR・G)の生理的機能の解明
Project/Area Number |
05680561
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Research Institution | HIMEJI INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
若林 貞夫 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (80148436)
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Keywords | ヒスチジンリッチ糖タンパク質 / 発現調節 / 血漿タンパク質 |
Research Abstract |
ヒトヒスチジンリッチ糖タンパク質(HRG)遺伝子の推定転写開始位置から上流約1キロベースの範囲で、種々の長さのDNA断片を調製、CAT発現ベクターに組み込み、ヒト肝癌由来の細胞系(HepG2、HuH-6)にエレクトロポレーション装置を用いて形質導入した。48時間の培養後、細胞抽出液のCAT活性を測定したが、CAT活性の発現は殆ど認められず、HRGが正常肝細胞でのみ発現している事を反映しているものと思われた。そこで、プロモーター領域の解析の為、組み込んだ遺伝子の発現を促進できるSV40のエンハンサー配列を含んだCAT発現ベクターに種々の長さのHRG遺伝子5'非翻訳領域を挿入し、同様の解析を行った。その結果、転写開始点より上流約240ベースまでの範囲に、HRG遺伝子の発現を推進する塩基配列が存在する事が明らかになった。この領域をさらに詳しく解析するため、185、145、57ベースの断片を挿入したCATベクターを用いて解析したところ、145ベースでは発現が認められるのに対し、57ベースでは発現が認められず、この間にHRG発現に必須の配列が存在する事が解った。この間の配列を既知のいろいろな転写因子の認識配列と比較すると、100ベース付近と140ベース付近にそれぞれ肝臓特異的発現を制御している転写因子、HNF-4とHNF-1が認識すると考えられる塩基配列が存在し、これらがHRGの発現に関与している事が示唆された。 一方、生理的条件下でHRGがどのようなタンパク質と相互作用しているかを調べるために、腕の長さの異なるEDC、DMA、DSPという3つの架橋試薬を用いて架橋実験を試みた。血漿そのままで架橋反応を行い、SDS-PAGE、ブロッティング後、抗体による検出を試みたが、架橋産物は検出できなかった。これについてはさらに反応条件を検討して解析を進める予定である。
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